ああ、多分・・・、
大丈夫だ。
効果持続・・・。
そんな結論を得て冷えて悴んだ指先を彼の手に絡め隣合う体を更に近づけた。
瞬時に驚いたように振り返った彼にスッと視線を移し、同時に繋いだ手を彼のコートのポケットに入れてみる。
「・・・・・どうしたの?行動が可愛すぎてドキドキしますけど・・・」
「いえ、手が寒いなぁ。と、そして子供って体温高いじゃないですか」
「結局そこ?」
「不満ですか?なら・・・」
不服ならいい。と、絡めた指先を緩め自分の手を引き抜こうとすれば、すかさず阻止して絡み直してきた彼の指先。
おかしい。
お互いに冷たい指先なのに暖かいと感じる。
「・・・・寒いから・・・このままでいてよ」
「私は大人なので暖かくはないですよ?」
「大丈夫、繋いでたら暖かくなるよ」
そう言ってどこか気恥ずかしそうに笑う彼に小さく口の端を上げてみる。
だって、久しぶりに不在の緊張感。
この瞬間に馬鹿みたいに意地を張っても仕方ないのだ。
それでも、
それでもね・・・・
触れ合っていない左手が冷たい。
そう思ったのを瞬時に掻き消して右手の熱に意識を集中した。
「はぁ、では、改めまして。あけましておめでとう」
「おめでとうございます」
なんとか寒空の下歩きと電車で帰宅したマンションのリビング。
お互いにラフな部屋着に着替えて仕切り直しだと醒めつつあったアルコールを再度目の前に掲げる。
向き合ってソファーでなくラグの上に座り、何度目かの新年のあいさつを乾杯として上等な日本酒をグッと煽った。
瞬時に喉元から焼け落ちる。
冷えた体に熱がめぐって、やっと落ち着く様に息を吐くと同じような彼が私と視線を絡めてクスリと笑った。
「寒かったね」
「あなたが電車で帰りたいと仰ったんでしょう」
「うん、・・・なんか、楽しくて、」
「酔っ払い」
「久々に・・・千麻ちゃんと夫婦漫才したのが楽しかったのかも」
「・・・・・」
「・・・・・」
そこ・・・触れますか?
不意に持ち込まれた含みに言葉を失い、どう切り返すのが正解か迷って結果その間が不正解。
眉尻まで下げた段階で減点。
そんな私を捉えた彼が困ったように微笑んで持っていた杯を近くのテーブルにコトリと置いた。



