ここで素直に『ごめんね』とでも言えば可愛げもあるのに。
それにさっき迎えに来てくれたことにもお礼を告げていないのだ。
なんて・・・可愛くない女だろう。
自分で自分の性格に呆れ落胆までもしてしまいそうな、そんな瞬間。
「・・・・・・ごめんね」
「っ・・・・」
耳元に優しく響いた声と近くさを感じさせる息。
それに反応したのにまだ意地を張る私は顔を逆に向けたままだ。
「・・・・不安にさせて、ごめんね」
「別に不安じゃありません」
「・・・・誤解させてごめん・・・・・」
「・・・・・・・」
もう・・・そんなに謝ってこないでよ。
ますます素直に謝れないじゃない。
私が言葉で素直になるのが苦手なの知ってるでしょ?
頑なに反対を向く私に呆れもせずに謝罪を響かせた彼がクスリと笑う。
そしてその意地も理解して体を起こし視線を私から逸らしていった。
ああ、このタイミングだ。
「・・・・・・・・・・・素直じゃないな」
「・・・・・」
放っておいてよ。
私から意識を外したその直後にそっと手を伸ばし彼の指先に絡めていった。
それが言葉の代わりであるように。
でも言葉より強く私たちが素直に伝える方法でしょう?
「仲直りだね、千麻ちゃん」
「喧嘩してる内に殴っておけばよかった」
「やっと口開いたかと思えば・・・・、まぁ、いいや、ヤキモチやいた可愛い千麻ちゃん見れたから」
「殴っていいですか?」
「いいよ~、愛情表現として受け取るから」
「じゃあ・・・漬物石で・・・」
「ねぇ、リアルに死ぬからそれ」
「死ぬほど嬉しいでしょう?」
「ははっ・・・夫婦漫才万歳~」
本当・・・万歳ねダーリン。
私たちはこうであるべきだわ。



