あれ?あれ?
だって・・・いつから?
さっきまでは割とまともに会話をしていて、こんな風になるほど酔った空気は感じなかった。
そうして回想巡らせ思い当ったのはワインを口にしてから。
ワインその物が原因か、それともがぶ飲みしたあの行為か。
どっちにしろ雛華さんの理性を掻き消したのはこのワインだと理解して困惑の終了。
残るは・・・・この状況への焦り。
「千麻ちゃん・・・・・」
絶対に普段なら呼ばない熱っぽい響きで私を呼んで、どこか誘惑するように見下ろすグリーンに心臓が速くなる。
咄嗟にその胸に手を添え押しかけたのに、瞬時に手首に絡み付いた雛華さんの手がそのまま床に縫い付ける。
耳に響く風鈴の音が痛い。
『いーけないんだ、いけないんだ・・・』
そんなフレーズにも聞こえて不道徳な状況を非難してきて。
どうしたらいい?
振り切りたいのに・・・・力・・・強い。
グッと手首にかかる力は確実に男の人だと意識させ心が怯えるほど。
怯える?
だって・・・・・・好きだったのに?
「・・っーーーーー」
焦燥感。
怯えて焦って判断を誤った。
ライオンに追い詰められて、睨まれて、僅かでも動けば一気に食われると分かっていたのに。
咄嗟に牽制しようと口を開いたのに、彼の名前の響きは彼自信に飲み込まれて沈められた。
触れた直後から濃密で、お互いに呑んだアルコールの量を感じる目が回りそうなキス。
必死にもがいてみても蜘蛛の糸のように暴れるほどしっかり抑え込まれる体。
それでも逃げるように顔を左右に動かせばようやく自由を得た唇が遅すぎる牽制を響かせた。
「あっ・・・雛華さんーーーー」
自分の声が震えてる。
心臓が速くて。
大好きだったのに・・・・・。
違う、
今も大好きだけど・・・・・・、
違う。
欲しいのはもう・・・・・このグリーンアイじゃない。
「やぁっ、・・・せーーーーー」
茜
そう、呼びかけた瞬間。
デジャブ・・・。
前にも似たような事があったと。
冷たい。



