「なんて言うか・・・・・・・・・【不安】なんです」
「それは答えじゃないでしょ」
「分かってます。ただ、・・つまり・・・ああっ、どう言っていいのか、自分でも上手くその感情を捉えてないんですよ!」
「・・・逆切れちゃったよ」
「色々複雑なんです!!自分のこの身に別の命の責任かかるかもしれないんですよ?!それによって今までの生活とはガラリと変わって、仕事も私生活も制限されて!楽天的に手放しに『楽しみね〜』なんて笑ってられないんですよ、女は!」
ただでさえ複雑な葛藤でモヤモヤしてるのに、更に1人楽天的に浮かれるな!
そんな勢いで感情的に言葉を弾いてすぐに後悔。
これは・・・単なる八つ当たりに近い衝動だ。
同調してこの賭けに挑んだのに、今更苛立って彼にキレるのはお門違いだ。
そう気がついて脱力し落胆。
目の前で私の八つ当たりを受けたわりに、ただじっと私を見つめ返していた彼にさすがにチクリと痛み反省。
「・・・・すみません」
頭を片手で押さえ苦悶の表情で小さく謝罪を口にすると、てっきりまた皮肉か悲哀が返されるかと思った。
でも予想外にも黙した彼がしばらく何かを考えた後に半信半疑に片眉下げて私を指差し、そして、、
「・・・・・想像マタニティブルー?」
言われて放心絶句。
想像妊娠超えた枠だそれ。
そして困った事に上手い反論の言葉がでず、ただただ言われた言葉に唖然と固まれば、珍しい物を見たといいたげに小さく笑う彼。
でも、何か理解したように数回頷くと真っ直ぐ私の目を見つめ直し数秒停止。
その視線に不安を感じる様な物は皆無で、映るとすれば呆れと・・・理解不能な愛着?
スッと伸びた両手が私の頬を包み、何のつもりだ?と思った時には唇に軽い音響かせキスと言う接触。
すぐに離された唇は弧を描いていたけれど、すぐにワザとらしく真面目さ示し掻き消され、
「わかった・・・」
「はっ?・・・何がですか?」
「とりあえず・・・、黙って愛されておこうか?」
ねっ?と、最善策の様に悪戯に笑う彼に、
巫山戯るな!!と、罵倒する?
愛して。と受け入れる?
そんな2択が頭に浮かび、前者が強だろうか。と眉根を寄せた時にはすでに遅し。
愛でる様にギュッと彼に抱きしめられた後だった。
そして宥める様に柔らかく頭を撫でてくる指先と温もりに、まんまと落ちつきを見せ始めた自分の心に呆れる。



