「だいぶ・・・・【賭け】に我を忘れていらっしゃいませんか?」
嫌味にもそう唇から零せば、参ったとばかりに笑った際の息が零れる。
でも肯定するようにしっとり密着した唇がすぐに離れて音を響かせた。
「・・・・・・負けたくないんだよ。俺が全てにおいて貪欲なのは千麻ちゃんも知ってるでしょ?」
「存じてますが・・・・・、こればっかりはあなたがいくら張り切ろうと結果に結びつくようなものでもないかと思われます」
「・・・・・・まぁ、そうですね」
納得と理解。
当然頑張ったところでその神秘的瞬間に結びつくものでもなく、それこそ奇跡という賭け事なのだと促せば、苦笑いで彼が密着させていた体を起こす。
その瞬間に明確になる。
近すぎて全てを捉えきれていなかった彼の現状を。
激しさを物語る乱れたダークブラウンの髪、そこから垣間見えるグリーンアイが時間を確認する為に私から外れた。
そう・・・無造作な髪型だと幼く見えるのよね。
まだ決して終わりでない時間の一瞬の休息に不意に今更彼の自然体を捉えて見つめた。
見惚れたではなく見つめた。
「・・・・・・若いですよね」
「・・・・・・何その感想?」
ポツリと零した言葉に脱力したように笑った彼がどういう意味かと覗き込んで、近づいた顔にそっと手を伸ばすと確かめるように触れてみる。
「いえ・・・・今更ながらこれがあなたなのだと」
「ねぇ、もう私生活共にして2か月経ってるんだよ?そして今現在こうしてエッチまでしてて何を言い出すかなぁ?」
「・・・・・何となく・・・・あなたという人を再確認しただけです」
「なら・・・・余すことなく再確認して」
ニッと悪戯に微笑んだかと思えば再開される律動。
一瞬さっきの激しさの再来かと身構えて背中に手を回したのに、、
不必要。
その濃密さが減退したわけではない。
でもさっきの感情のままに繰り返されたそれと違ってどこか労わり感じる欲の供給。
痛みが減退すれば前にスッと入り込むのは快楽。
今度はその快楽によって眉根を寄せ、徐々に上がる呼吸と熱に溺れて回る。
いつもより・・・・しっかりと、一つ一つ濃密に与えられる愛撫や刺激。
願掛けの様だ。
愛情をたっぷりかければそれが成されるような。
馬鹿みたい。
さっき言った通り、
いくら工程に熱を込めてもその結果に反映するわけじゃないんですよ?
ああ・・・でも・・・・可愛らしく愛おしい馬鹿だ。
何より・・・結果はどうあれ私が気持ちよくてその愛情に満たされるから良しとしましょう。



