ーーーーOvernight of a dreamーーーー
一夜限りの賭け。
夢を賭けたその勝敗は見えない。
一夜というには日は高い。
まだまだ日付の変更には時間がかかりそうだ。
そんな時間帯に時間を忘れるような有酸素運動に徹する。
有酸素なのに僅かなそれさえ許さないように重なる唇に奪われて。
苦しくて突き放したい衝動に駆られるくせに逆に求めて彼の首に腕を回す。
馴染みのないシーツが皺を広げて体温を移し、キスを交わしながら捉える天井が見慣れないで違和感を感じる。
どこだっけ・・・ここ。
そんな意識の浮上に答えはすぐに自分で弾く。
ああ・・・・そっか、【恋人】達のデートのゴールに近い。
そういうホテルだ・・・。
そんな意識をしたのも一瞬。
すぐに余計な思考を挟むな。と言わんばかりの熱と愛撫の繰り返し。
時々捉えるグリーンアイが薄暗い中鋭く綺麗に私を見つめ・・・・、次の瞬間には食らいつく。
きっと・・・肉食獣に食われる瞬間の獲物はこんな視界なんだと感じるほど。
捕食者の欲を埋めるために求められ牙を立てられ食い尽くされて。
でも・・・・その犠牲で捕食者は生きるんだ。
ならこの行為も・・・・・彼の成長の為であるのだろう。
「・・・・・・っ・・・」
でも少し・・・・。
「・・・んっ・・・・」
「・・・はぁっ・・・・・・千麻ちゃん?」
思わず顔をしかめて静止を求めるように彼の腕に爪を立ててしまった。
勿論我儘で自己中だろうと相手の事を無視して暴挙に出る彼でもなく、激しく求め共有していた時間に一時停止。
ようやくまともに音を取り入れる耳に彼と私の少し高まった息だけが響いて、楽になった体にようやく眉根を離すと彼が心配そうに覗き込んできた。
「どうした?大丈夫?」
「・・・・・痛い・・・・・」
「えっ?」
「・・・・・・気持ちはいいんですが・・・、激しすぎて痛いんです」
ふぅっと一息吐いて疲れたというようにそれを告げれば、気まずそうに眉尻下げて悪戯な笑みを落とし謝罪。
声には出さずとも甘えるように呼吸が整い始めた唇に弧を描いた唇が重なり『ごめん』の意思表示。
こうしている今もしっかり埋められている部分の奥不覚がじわじわと痛くて、多少のそれなら愛嬌とばかりに普段は流す。・・のに。



