私もね、あなたが見せてくる甘さや想いにうっかり溺れて、この甘さの余韻続くうちに馬鹿な夢を見て見たくなったよ。
でも・・・今日限定の。
「・・・・・・賭けです」
「賭け?」
「・・・・・・一夜限りの夢に賭けたら・・・どう成行きが働くのか・・・」
「・・・・・」
今見たような夢に続くのか、今までの現実の継続なのか。
そしてそれによって私達の契約がどう完了するのか。
成行きだ・・・。
私の【賭け】の提案に驚愕ばかり映していた彼がようやくスッと真顔に戻る。
そしてゆっくり理解するように落ちた視線がすぐに海に向けられ無言になる。
その姿をじっと焼き付けるように見つめてから私も視線を横の海に移していく。
波自体は静かで穏やか。
それでも吹く風にさざ波立って。
きらきらと反射する水面が頭の中に記憶されていく。
きっと・・・・一生忘れない瞬間の記憶になるのだろうと感じながら少しでも綺麗な物を映して残す。
そうしていつか思い出した時、この瞬間は甘く笑って回想するものとなっているのか。
はたまた・・・・眉尻下げて悲哀に沈むものなのか。
「・・・・・・・はぁ・・・・・」
耳に入り込んだ自分の物でない深い息に意識の回復。
海の紺碧から隣り合う緑の印象に視線を移せば、まだその緑は私に向いていない。
口に手を当て珍しく真剣な表情の継続。
それでも決断を下したのかゆっくり戻ったグリーンアイに射抜かれるように見つめられた。
怯んだりしないけれど・・・。
「・・・・・・賭けって・・・・結果は2択なんだよ?」
「・・・・存じてます」
「この状況で・・・どっちの結果が勝ち負けになるのかわからないけど。・・・・・・俺にとっての勝ちは・・・今見た夢の方」
「・・・・・・いいですよ。じゃあ・・・勝ちはそっちで」
「・・・・・・・負けたら・・・変わらない日々の継続だけど・・・・、勝った時・・・・千麻ちゃんは・・後悔しない?」
「・・・・」
「俺は・・・・・・これが賭けであっても出来た夢の未来は手放す気はないよ?もちろん・・・・それを一緒に生み出す相手も」
真剣に、釘を刺すように未来の固定。
この賭けの結果が夢の実現だというのなら・・・本当に夫婦として傍に置くという。
一生・・・・隣り合う夢の固定。
「・・・・・・賭けは・・・いつだって代償ある物です」
「・・・・それは・・・千麻ちゃんの中で軽はずみに賭けて大丈夫な物?」
いいえ、
その言葉に返事を返すならNO。
決して軽くない・・・今までの生き方の代償。



