夫婦ですが何か?




「実はね・・・【新た】にしたいというより【続き】がしたいんだよね」


「続き?」


「うん。・・・ほら、俺に教育権云々の話?」



ああ、あれか・・・。


言われた言葉に目を細め、思い当るそれを記憶の回想。


そしてたどり着いた答えに納得したように数回頷いて見せれば、『それそれ』と言わんばかりの満面の笑み。


確かに・・・バカップルっぽい未来予想図の語り合いだわ。


軽く呆れたような感情が表面化していたのか、伺うように彼が眉尻下げてのご機嫌伺い。


下から懇願するように覗き込んでトドメとばかりに声も響かせる。



「ダメ?」


「・・・・・・お好きなように」



どうせ害のない【夢】の話だと力なく返答したのに、彼と言えばイキイキと嬉々とした顔でニッと笑う。


少しだけその笑顔に心臓が強く跳ねたのを無表情で誤魔化した。



「ね、ね、千麻ちゃんは男の子と女の子ならどっちが欲しい~?」


「・・・・・どちらでも」


「将来こうなってほしい。とか理想ってあるの?」


「・・・・元気に一般常識持った人であるなら何でも」


「・・・・・何人欲しいとか」


「・・・・・その時の経済状況に寄りますかね」


「千麻ちゃん・・・・、つくづく夢ある話出来ないんだね」


「私は現実思考な人間なので」



問われた質問に真面目に答えただけなのに、一つ返すごとに彼の顔から笑みが薄れて最後は落胆。


それを興味なさげに膝を抱えながら見つめてこちらはにっこり。


本当・・・馬鹿で可愛いわねダーリン。


ドリーミーなあなたに・・・ほんの少し甘い夢をあげましょうか?





「ただ・・・元気で強くて優しくて・・・・・その目が綺麗なグリーンアイなら・・・充分すぎるくらいの理想じゃない?」





言葉にして彼の目尻の横に指先で触れた。


このグリーンアイに、


そんな意味合いで触れてニッと笑えば・・・・。


ほら・・・・、あなたが思った以上の甘い夢が見れるでしょう?



「訂正・・・・・」



彼の声が柔らかく歓喜を交えて耳に響く。


歓喜を感じたのはその表情からだったのか。


驚愕の後にゆっくりと柔らかい笑みを浮かべた顔が『愛おしい』と言うように私を見つめてその手を伸ばす。


潮風に冷やされた頬に彼の手が触れ熱いと感じた。