分かっていますとも。
あんな印象強烈な告白がメロンパン以下な筈ないじゃないですか。
そう心で思ってもあえて口にせず、むしろいじけた彼を楽しむ私はやはり意地が悪いのだと自分に再確認。
フォローするでもなく近くに置いておいたお茶のペットボトルに手を伸ばし開栓すると中身を口に流し込んだ。
ふわりと風が吹いて、はっきりとした潮の匂いを意識しながらペットボトルにキャップをしようとしたタイミング。
横から伸びた手がスッとボトルを奪って、その手を追うように視線走らせ彼の姿をその目に捉えた。
今ほど私が飲んでいたそれをごくりと飲んで、口を拭うと再び戻す。
それを受け取り栓をして元あった場所に静かに置いた。
そんな瞬間。
「千麻ちゃんって・・・子供好きなの?」
問われた質問に特に過剰反応するでもなく、食べかけだったメロンパンを一口齧るとうんうんと頷いて見せた。
「好きですよ。今日みたいな赤ちゃんは本当に可愛いと思います」
「なんか意外。子供相手でも無表情貫きそうだと思ってたし。・・・むしろ嫌いなんじゃないかと」
「そうですか?むしろ配偶者はいらないから子供だけは欲しいと思って生きてましたが」
「・・・なんか無茶苦茶じゃない?」
「・・・・もともと結婚願望薄いので。・・・でも、子供は可愛いし欲しいな。と」
私の言葉にどうも納得いかないらしい彼が鈍い唸りをあげながら眉根を寄せて思考に走り。
それを特に意識するでもなくメロンパンの甘味と戦いごくりと飲み込んだ。
そして再びお茶に手を伸ばすと、
「変な話さ、歴代の彼氏とは【結婚】とか【子供】の話したり予想したりしなかったの?」
「珍しい、恭司の話をすれば不機嫌になるくせに」
「別に【元カレ】の話が聞きたいんじゃないし。・・・ってか、明確に名前出されるの面白くない」
自分で持ち出したくせに不機嫌に顔ごと視線を外す彼に、『やっぱり』と含めて息を吐き。
手のしていたお茶でその感情を飲み込むと、【彼氏】の存在濁らせ返答を返した。
「無いです」
「・・・・・・・一回も?」
「記憶する内では」
「えっ?軽い感じに『結婚したいねぇ』とか『子供は2人欲しい』とかそんな会話も?」
「・・・・・・・・・・あっ、つい最近【元カレ】と『何だかんだでお互いと結婚すると思ってた』とは語り合った気が・・・」
「だから【恭司】の話はいいよ。わざわざ【元カレ】って何の嫌味?」
「あなたが名前で呼ぶなと言ったんでしょう?」
「もういいよ。あいつの話はしたくない」
なんて我儘な。



