本当・・・・敵わない。
この我儘で・・・寂しがりで、
夢見がちなお坊ちゃまには・・・・。
ねぇ、
あなたが好き・・・。
口にしてしまうって、
この感情を明確にする事なのね。
相手にも、自分にも・・・。
今更・・・・・、私は彼に恋をしていると強く自覚したんだ。
自覚すれば・・・、
全て・・・。
ダークブラウンの緩い癖っ毛も、細身の長身も、なのに程よく筋肉はあって抱きしめられると私が寄りかかれるほどは男らしい体も・・・。
この匂いも、
今まさにこちらを見つめたグリーンアイも、
「千麻ちゃん?」
困ったように笑う顔も、声も。
「・・・・・・・好き・・・・」
「えっ?」
愛おしいと思う全て私の物だと・・・・疼く独占欲。
馬鹿で滑稽よね?
さっきまで・・・・その感情に怯えて距離を置こうとしていたのに。
「好きです・・・・・・・、」
「千麻ちゃん・・・、何・・」
その顔を赤く染めながらも動揺が強く感じられる彼の表情に、まっすぐ躊躇いもなく言葉を告げた。
さっきも何回か告げた感情。
言わなくてももう十分に彼には伝わっている物なのに、どうやら私の普段はきっちり固い胸の中のカギが壊れたらしい。
吐き出さないとそこに溜まって苦しくなりそうで、今も溢れてしまいそうなそれを必死で処理しようと焦っている。
そして吐き出しても楽にならず更に熱を上げた胸の内に思わず苦笑いを浮かべ片手で顔を覆って下を向いた。
当然訳が分からない彼が目の前で挙動不審に動揺して身をかがめながら私を覗き込む。
「ちょ、・・・千麻ちゃ・・・大丈夫?」
「・・・・・・おかしくなりそう」
「えっと・・・えっ?・・・精神科・・行く?」
彼なりの冗談だったのか、さっきの私の言葉を引用しての様子伺い。
それに視線だけを上げて覗き込んでいるグリーンアイと絡めてクスリと笑う。
参った・・・。
そうか・・・・、この人が好きなのか・・・私。
「あ~・・・・・」
困った。
そんな響きで言葉でもない音を発してようやくようやく顔自体を上げるとそのまま晴天を見上げた。
本当・・・・いい天気。



