夫婦ですが何か?





本当・・・・私達って・・・・。




「可笑しな夫婦ですね・・・・」




本来の結婚の条件なんてまるで当てはまらず、ただ成行きで始めたこの関係。


ずっと・・・どんなに生活を共にしても彼には特別な感情を抱くことはないと思っていた。



「・・・・可笑しいけど・・・夫婦だもん」



私の言葉に彼が返してきた言葉に小さく笑うと、未だにしっかり抱きしめてきている彼の背中に腕を回した。


不思議だ。


もう毎夜この体には抱かれているというのに、改めて認識するように体全体で彼を感じる。


いつか・・・・この存在を手放す日が来るのかもしれない。


手放さないかもしれない。


どちらにせよ・・・・成行きだ。


成行きで始まった私達だもの・・・・終わりまで、きっとそうなのだ。


だったら・・・・今はただ・・・余計な思考もせず、感じるままに過ごすのがいいのだろう。


私達らしく・・・・。



「・・・・・・さすがに・・・息苦しくなってきたんですが」



感情的に抱きしめられて数分。


最初はその香りやぬくもりに自分も心落ち着けていたけれど、なかなか解放されないそれにようやく不満を漏らす。


そして今更冷静になってくれば、安堵すると思っていたゲーム機からの騒音が煩わしくもなってくる。


うん、煩いな。



「ーーーーきーー」


「煩いですね」



騒音に対する不満とそれを口にしたタイミングが良すぎたらしい。


音に埋もれた彼の言葉に更に自分の声を重ねてしまえば、今までしっかり密着していた体が引き離されて驚いた。


でももっと驚いたのはそうしてようやく対面した彼の見事なまでの驚愕とショック。



「煩いって・・・・」


「はっ?」


「やっぱり・・・千麻ちゃんって俺の事嫌い?」



すみません。


全く意味が分からないんですが。


何故だか目に見えて消沈して落胆する姿に怪訝な表情で対峙して。


視線泳がせ思考しても理由が分からないと眉根を寄せた。


結果・・・面倒だ。



「何が仰りたいのかさっぱり。それとも新手の作戦ですか?」


「はっ?・・・・逆に何を仰りたいのか・・・・」


「いえ、こうやってまた私に『あなたが好き』だと言わせたいのかと・・・」


「っ・・・・、あ、なんか・・・ラッキー?」


「・・・・はい?」


「・・・・・・・・さっきの【煩い】の対象って・・・何?」


「・・・・さっきから『ポーズを決めてね』とか浮れた音声響くこの機械にですが?」



それしかないだろう。と腕を組んで機械を睨み彼に視線を戻した。


直後に捉えたのは酷く安堵したらしい彼の笑み。