夫婦ですが何か?





返事?


一瞬何の事かと思考を巡らせ、すぐに思い当ったそれに声と視線を彼に戻す。



「ああ、あれ、本気の告白ですか?」


「本気ですけど?!俺超必死に長々口説いてたじゃん!ってかここまでしても俺の本気って認められないものなの!?」


「・・・・・前置き長すぎてピンとこなくて・・・」


「前置き長いのは千麻ちゃんが真剣に悩んでたからでしょ・・・・」


「・・・・・もう結婚してるのに返事必要ですか?」


「是非に。だって千麻ちゃんの本心、俺まだはっきり言われた事ないもん。仮説や想像でドキドキして恋の駆け引き楽しむような年齢でもないんだよ俺」


「・・・・まだ23のくせに」


「もうすぐ24だもん」



たいして変わらないじゃない。


まだまだ本来大学生みたいな立ち位置なのに色恋を悟ったような言い方をして。


返事を求めて必死に見つめてくる段階で若さを感じ、ふぅっと一息吐くと一瞬の思考。


そして、



「出直し・・・」


「・・・・えっ?」


「それなりに心揺さぶられたけれど告白までの経緯が長くて・・・」


「えっ?・・・つまり・・・・ダメ?」


「・・・・付き合う云々のお返事を返せば・・・NO?」


「嘘でしょ!?」


「いや、本気ですけど」


「結婚してるのに!?」


「あ、それ言います?だったら結婚してるからいいじゃないですか。と、お返事しますが」



ばっさり否の返答を返せば面白い程失恋で落胆した旦那を目の前で拝めた。


無表情で腕を組みいじける彼を見つめてからゆっくり息を吐く。


成行き・・・ね。





それも・・・・・また一つの進め方なんでしょう。










「でも・・・・・好きよ。・・・・茜」









響かせた言葉。


なんの予告も準備もなしに自分の思ったままのタイミングでいつの間にか存在していた感情を彼に明確に響かせた。


背中を向けていた彼が一瞬不動になり、多分言葉を反芻してから私を振り返る。


動揺に揺れる緑が言葉の解釈を求めている様にも感じるけれど特別語らず、微笑むでもなく、腕を組んだまま見つめて成行きに任せた。


成行きの沈黙を破ったのは当然彼。


ゆっくり体ごと私に対峙するといまだ驚愕の表情で見下ろした。