「俺さぁ・・・・自慢する事じゃないですが・・・経験豊富なわけですよ」
「・・・・」
「感情のないエッチが主体でただ欲求不満解消のそれが殆どだったわけで、・・・・・・だからこそ・・・・よく分からないけど・・・感情込みのそれに敏感っていうか・・・・」
「・・・・」
「・・・・・・・・千麻ちゃんとした後って・・・欲求以外の物も満たされちゃうんだよね。気持ちいいだけじゃなくて・・・何ていうか・・・・・・・・・・・・・・、あれだ、・・・子供の時に母親にギュッと抱きしめられて安堵した後みたいな・・・」
「・・・・・」
「その安心感をいちいち体が記憶して、最近は・・・欲求不満よりそっちが上回る。
俺は・・・・・都合のいい事にそれを、千麻ちゃんの俺への愛情だと勝手に解釈しちゃってるわけですよ」
なんて・・・・・勝手で都合良しな解釈。
あなたがあの時間に何を感じているかなんて知らない。
私は意識してそんな母性を示したつもりもない。
全て全て、その時の感情のままに、本能のままに過ごしているにすぎなくて。
そんな時間に甘い期待をかけられても困る。
そんな感情が表情にも出ていたのか、ちらりと私を確認した彼が口元は弧を描くのに眉尻を下げて画面を見つめる。
そして仮説の続き。
「俺の都合のいい方の仮説は・・・・千麻ちゃんが自分で焦るほど俺を好きになっていってるって事」
「・・っ・・・・」
「でも・・・それに歯止めをかける感情も千麻ちゃんから俺への愛情だって分かってるよ」
「・・・・・・はっ?」
間の抜けた反応。
きっと表情も。
ようやくペンを置いた彼が私を見てクスクスと笑って、でもすぐに天井を仰ぐと真面目さ孕んだ笑みに作り替えた。
綺麗で穏やかなグリーンアイの視線を感じる。
「・・・・・千麻ちゃんは俺の最高のパートナーだよ」
「・・・・」
「俺を誰よりも信じて、信頼して・・・・、本気で・・・高みにのぼる事を願ってくれてる。
全力で・・・・それを同じ目標として支えてくれるから・・・俺も千麻ちゃんを全力で信頼してる」
「・・・・・」
「それが・・・・・・千麻ちゃんの対峙する二つの愛情。そして千麻ちゃんは恐いんだ・・・・・、前者の感情が上回ったら・・・後者のそれに影響しそうだって」
・・・・・・・寸分違わぬ。
ねぇ、仮説じゃなくて・・・心を見透かされた気分よ。



