「ははっ、これこれ」
「はっ?」
「【可愛い女の子】が出来ない不完全さが千麻ちゃんの魅力じゃない」
「・・・・・」
「って、事で愛情もーらい」
ニッと言い切って私の手からメロンパン山盛りのトレーを取り上げ会計に向かう彼。
それを視線で追うついでにようやく噂話に夢中だった2人を見た。
当然唖然とした感じに彼を視線で追っていて、それに気が付いていた彼が不意に2人を振り返ってにっこり微笑む。
「きつい言葉は彼女の魅力と愛情ですから。同情と無駄なご心配ご配慮痛み入ります」
『余計なお世話だ、黙っとけ』が、翻訳の正解かしら?
あなたの嫌味、向けられるのが自分でなければすっきりとするわよダーリン。
何だか考えていたことが馬鹿らしくなって口の端を上げると新しいトレーを手にしてみる。
さすがにメロンパンだけでは甘すぎだと惣菜系のパンをいくつか選び先に会計に向かっていた彼の隣に足早に並んだ。
「飲み物はコーヒー?」
「えっと・・・・あ、フレーバーコーヒーで。ヘーゼルナッツの」
眺めたメニューで捉えた種類に僅かにテンション上がり思わず注文。
そして購入したものを手にイートインの窓側の席に座るとテーブルの上にパンを置いた。
後・・・・インパクトある黄色い山に思わず2人で苦笑い。
「高カロリー・・・メロンパン一つで500はあるよね」
「・・・・ダーリン、食べさせてあげるから口開けて」
「えっ、本気で全部俺に食わそうとしてる?」
「私からの滅多にない愛情をリアルに体感したいでしょう?」
「あ、甘すぎるぜハニー・・・」
「大丈夫、私への愛があるなら完食出来る筈」
「どS・・・」
「どMだから嬉しいでしょう?」
ニッと口の端上げてメロンパンの一つを彼の口元に持っていけば、苦笑いでそれにかぶりついた彼が『甘い』と一言。
それを確かめるように何の気なしに彼がかじったメロンパンを自分の口元に運んで同じように噛り付いた。
瞬間。
「あっ・・・」
「・・・・何でしょうか?」
「いや、・・・なんか夫婦っぽくてちょっと嬉しい」
「はっ?」
意味が分からない。と、方眉上げて怪訝を示すと、何故だか満足げに笑って片頬ついた彼が、いましがたかじったメロンパンを指さし補足する。
「一個のパンを割るでもちぎるでもなく食べる感覚?しかも俺が噛った部分を躊躇いもなく意識もしてなかったでしょ?」
言われてようやく意識。
確かに・・・、無意識。
以前であるならさすがに気にしてしなかった?



