『・・っ・・・・』
気がつけば彼女達の女子会会場である給湯室にその身を投じていた。
今の今まで恥らいや懸念も無く馬鹿な会話をしていた彼女たちが私の姿に口を閉ざし、動揺した表情や視線が面白いくらいに動く。
そんな姿を無言のまま視線をゆっくり走らせ、何事も無いかのように奥に進むと自分のカップを手にした。
今までの騒ぎが嘘の様に静まるそこでカップに水を注ぎごくりと一口。
そして次の瞬間には、、
『・・っ・・』
『やっ・・』
さっきまで悪態ついていた口がかよわい女子の様な反応の声を響かせウンザリする。
振り向きながら思いっきりカップの水を彼女らにぶちまければ一瞬驚きに染まりすぐに怒気を孕む彼女達。
『ちょっと、何よ!?』
『頭おかしいんじゃないの?』
口ぐちにたかが水に憤り食ってかかって来る彼女らに、終始冷めた眼差しで対峙してしまう。
「私の頭がオカシイのなら・・・、あなたたちの人格は破綻してると言えるのでは?」
『はぁっ!?』
『どう考えてもいきなり水ぶっかける方がおかしいでしょ?!』
「・・・こんな些細な水と、あなたたちが浴びせる精神を傷つける様な何の信憑性もない悪態・・・・どっちが人として破綻しているか。そんな事も理解できないんですか?」
嘆かわしい。
そんな風に嘲笑を口元に浮かべ、人道を諭す様な言葉を告げれば・・・。
馬鹿な人ほど感情的に激情する。
殴られはしなかったけれど突き飛ばされた体が壁に当たり、すぐに追い詰めるように迫ってくる彼女ら。
別にその事には畏怖しない。
なんて子供じみた苛めの様な現場だろうと客観的に思ったくらい。
そしてそんな冷静さがまた彼女らの反感を買うらしい。
『勘違いして調子に乗ってんじゃないわよ?』
「・・・・・勘違いとは?」
ここに来て私が何を勘違いしていると言いたいのか。
何の繋がりも感じられないただ弾かれた言葉に疑問を返すと、どうやら私が口を開けば全てが油。
もはや平常心で話が出来ないらしい彼女の憤怒の眼差し。
『Jrと結婚したからってあんたが偉いわけじゃない』
「おっしゃる通りです」
『どうせ小狡い手であんたが婚約者を蹴落としたんでしょ?』
「違うと言っても聞く耳を持たないのでは?」
『ムカつく、Jrに気にいられて傍にいて?自分は特別だと勘違いして見下す感じがムカつくのよ』
支離滅裂・・・。
ああ、もうなんて面倒な。
もう何を言っても彼女の火に油を注ぐことになるのだ。
そう、だったら・・・もう、
いいんじゃない?



