さすがにぼんやりする。
そして不思議な感覚。
朝日感じるリビングのソファーで裸の体を起こすと、視界を遮る様に落ちてきた前髪を横に流した。
倦怠感に一度目蓋を閉じて、ついても仕方ない息を吐き出すと再度光を取り込んだ。
そして狭いそこで横たわる姿に手を伸ばすとさらに乱れた頭をくしゃりと撫でてみる。
「・・・デートは見送りですか?」
出かける前から体力を消耗させた彼に、返される返事は予想出来たが確認をいれてみた。
私の声に反応を見せ、同じ様に倦怠感で気怠そうに体を起こし始めた彼が、疲労見せる顔を私に向けた。
「・・・行く」
「じゃあ、・・・まずは朝食でしょうか?」
「・・・相変わらず元気だよねぇ。俺の記憶違いじゃなきゃ2回はした筈なんだけど?」
嫌味なのかわざと指折り数える姿。
誘ったのはそっちのくせに。と、目を細め声でも非難。
「何かご不満なら更に折る指増やして今日一日不能にさせてもいいんですよ」
「嫌、今日はデートするの」
「・・・子供」
「何その切り返し!?しかも超冷めた目!!」
いや、ただ、まるで遊園地に行く!と、言い張る子供の様で。
初デートに浮かれる中学生じゃあるまいし、朝からがっつり性欲満たした2人が今さらデートにどんな期待をかけていいのか。
なんて言うか・・・。
「デザートを先に食べた感じが・・・」
「千麻ちゃん・・・」
言葉の意味を理解した彼が若干の呆れ顔で私を見つめ息を吐く。
だって、そうじゃないか。
少なからずデートの期待は大小ありきだけども下心は存在して。
どこか甘い結末求めて、デートはその甘さを際立たせる為の準備時間というか。
そもそも、
「私と今更デートして楽しいですかね?」
元も子もない。
始まる前から気分を壊す私はどれだけ嫌な女なのか。
でも、どうやら私の一言は彼に対しては火種になったらしい。
私の【相変わらず】を呆れた表情で聞きいれていた彼が、床に落ちていたズボンを拾い身につけると立ち上がる。
そして私にはパーカーをばさりと放りながら声を響かせる。
「とりあえず、・・・着替えて」
「脱がせたり、着ろと言ったり勝手な・・・」
「あっ、スカートNGで、」
「・・・元々穿く気はありませんが。・・・何故?」
「ん?千麻ちゃんの魅力的な美脚を最低限は晒したくないからです」
ニッと笑って告げられた答え。
でも、違う。
いや、これも理由の一つだろうけれど、他にも何か含み感じる指定。
だけども更なる追求を口にするより早く彼の姿はリビングから抜けていく。
仕方なしに自分の体にも渡されたパーカーを纏うとゆっくりソファーから立ち上がった。



