そして・・・、
「技術点・・・20点、芸術点20点、」
「低っ・・・、頑張ったのに厳しい!!」
「・・・・・じゃあ、努力点で15点」
「・・・・・もう一声?」
もっと、他に感じるでしょ?
そんな風に首を傾げ点数の加点を求める姿に、ようやく体を起こしそれを手にすると。
「笑って・・・千麻ちゃん・・・」
狡いわ・・・ダーリン。
「誠意点・・・40点」
かなりの加算は私の意地っ張りの謝罪も含めて。
だけども彼も大概、貪欲な完璧主義者だ。
「じゃあ、ラスト5点は愛情点って事で満点にして?」
「愛情?どっちからの?」
「・・・俺からの、で、いいよ」
柔らかく微笑んだ彼がすかさずそっと唇を重ねてくるのを、手に持っていたそれを零さない様に、と、理由をつけて受け入れた。
だって崩れたら・・・・少しもったいないじゃない。
全く似てない上に上手とは言えない彼のラテアートが。
どうやらウサギらしい生き物と、どうやら私らしい顔が笑っている幼稚園児の落書きのような出来。
昨日から思う。
彼の魔法は狡いと。
触れて離れた唇。
一応、何をするんだ?というムスッとした表情を作り上げても、捉えた笑顔に相殺される。
ああ、だんだん勝敗が明確でなくなってきた。
いつまでも優位でいられると思っていたのに、時間や生活を共にして重ねるうちに徐々にこうして流され、気を抜けば負けてしまいそうな危機も度々感じるほど。
思わず誤魔化すようにカップを口元まで持ってきたのに、瞬時にそれを崩したくないと歯止めをかける。
その反応でさえ彼の歓喜誘うものらしく、酷く満足げに微笑むとちらりソファーに視線走らせ口を開いた。
「隣・・・座っちゃダメ?」
その要求に無言で足を床に降し自分の隣を開けていく。
座ればいいと無言の許可。
クスリと小さく笑い声響かせた彼がゆっくりソファーに座ると私の肩に頭を預けた。
「・・・・少しは・・・ご機嫌直してくれた?」
「・・・・これ、私ですか?」
「うん、にっこり可愛く笑ってる千麻ちゃん~」
「・・・・あなたから見た私はこんな芸術的な顔をしているんですね」
「・・・・俺はそれに対してどう反応すべき?」
「いえ、・・・丸顔にいやにつぶらな瞳だと。そちらのウサギ?は耳の長さ違いますね」
「ねぇ、俺素人・・・努力だけは認めてくださいませんか?」
認めてるわよ。
ちょっとした照れ隠しじゃないダーリン。



