夫婦ですが何か?






「もう・・・、本当に・・・私なんかにこんな事・・・・、


馬鹿で無意味・・・・・でも、嬉しい」



笑いすぎて涙が浮かんだ目を擦りながら、何故か唖然としている彼を見つめた。


その間も口の端は上がりっぱなしでアドレナリン放出とばかりにテンションもハイだ。


そして未だ呆ける彼にニッと微笑むと無茶な要求。



「ねぇ、魔法使いの弟子さん?もっと花火は上げられないの?」



出来ないと知っていての意地悪を彼に向けると、ようやく正気に戻った彼が苦笑いで自分の手に一瞬視線を走らせギュッと握りしめる。



「ごめん・・・・今日はもう魔力の限界・・・。

・・・・・不満足?」



どこか不安孕む感じに入れられた確認に、方眉を下げるとこれ見よがしに視線泳がせ考え込む仕草。


そして答えが出たと人差し指を立てると、その指を彼のネクタイに絡めて身を寄せる。




「知ってます?」


「・・・・何を?」


「実は・・・・私も魔女だったんです」


「それは・・・知らなかったけど納得・・・・、じゃなきゃ・・完璧すぎるもん千麻ちゃんは・・・」



困ったように微笑む彼の言葉につられて笑ってしまう。


ああ、今日は何を言われても、されても笑ってしまいそう。


ひどくひどく・・・・、


ううん、最高に・・・気分がいいの・・・・。



「ねぇ・・・、千麻ちゃん」


「・・・ハイ、」


「さっきさ・・・・、『私なんか』って言ったじゃん・・・」


「・・・・・ハイ」


「きっと・・・千麻ちゃんの事だから、その含みにはまた【1年契約】が絡んでいるんだよね?」



困ったような微笑みでの確認。


さっきまで何を言われても笑ってしまうと思っていたのに瞬時に冷やされた心。


そして僅かばかりに動揺して口を開くとすかさず彼の指先がそっと口を塞ぐ。



「いいよ。答えなくても・・・・、そう思ってくれててもいい。たださ・・・、楽しい時間は命一杯に楽しみませんか?」


「・・・・・楽しい・・時間・・ですか?」


「お互いの誕生日とか・・・・クリスマスとか・・・、お正月とか。・・・・・・・仮にも・・・夫婦なんだし、・・楽しもうよ?」



彼の・・・魔法を起こした指先が私の頬を柔らかく滑る。


今目の前に確かにいる私の存在を確かめるように。


さっきまで無邪気で悪戯な輝きだったグリーンアイが静かに揺れて、私の顔全体を捉えていた双眸が焦点定めて視線を絡める。