「・・・宴会の余興程度には」
「厳しいなぁ。これでも頑張って色々な物出したのに」
まぁまぁだと言葉で示すと、不貞腐れて唇尖らし目を細める。
でも、すぐに「ああ、」と何か思いついた様に笑い、私の手からウサギを持ち上げると仮のすまいとして段ボールに置いた。
そして私を振り返るとニッと笑う。
その魅力を見せつける様に、妖艶に悪戯に。
「なら、最後のリベンジだよ」
そう口にして怪訝に笑う私の手を掴むとベランダに向かう。
まさか、・・・まさかのリベンジよね?
内心、あり得ないと思いつつ悪戯に笑う彼に乗せられ外に出て。
夜風がふわりと体に絡んで興奮した熱を静かに下げる。
なびく髪を抑え、さっきも一望した景色を一周すると彼に戻した。
で?どうするの?かと。
「・・・どんな手品を?」
「言ったでしょ?後回しって・・・、今度こそ・・・」
自信に満ちたグリーンアイか楽しげに笑うと、まるでそれをするには精神統一が必要だと言いたげに息を吸ってから夜景に体を向け手をかざした。
魔法でもかけるように。
よくやるものだと口の端をあげ腕を組みながらその後ろ姿を見つめる。
きっと、打ち上げ花火は無理だ。
あれをするには許可諸々確認や書類が必要だから。
だからこそ今度はどんな差し替えになるのかと何処か期待して沸く心がある。
「1(ワン)・・2(ツー)・・」
彼の手がまるでそれを引き起こす様に下から上にスッと上がり、
「3(スリー)・・」
「・・・」
「・・・」
ああ、夜風が嘲笑う様に流れゆく。
腕を組んだままどういう設定なのか視線走らせ彼の後ろ姿に戻した。
風になびく彼のダークブラウンの髪。
そしてゆっくり振り返った彼が映すのは苦笑い。
「・・・ごめん。・・・失敗」
「三流・・・」
目を細め興醒めだと冗談として貶してみると、「あれ〜」と言いながら自分の手と夜空を見上げる彼。
「もうフリはいいですから。結局最後はどんな落ちを?」
これも計画なのだろう?と口の端を軽くあげつつこちらから切り込んでみる。
そうすればやはり納得いかないように自分の手を見つめた彼が眉根を寄せながら説明を口にし始めた。



