視線が絡めばにっこりと微笑む。
でも特別悪意のない笑みに頭に乗せられた何かに手を伸ばし視界に入る位置まで下して確認。
「あげる」
「・・・・【conte de fée(コント・ド・フェ)】の・・・お菓子?」
「ビンゴ。千麻ちゃん甘い物とか嫌いじゃないでしょ?」
「はぁ、割と好きですが・・・・」
有名で結構お高い洋菓子店の名称入った包みの細長い箱を様々な角度から確認してしまう。
高級すぎて名前は知っていたけれど食べたことも行ったこともなかったその店。
ゆっくり箱から義父に視線を移せば、さも開封しろと言わんばかりの笑顔の訴え。
多少言いたいこともあったけれどそれを飲み込み包装を解いて開封すると。
「・・・・・・マカロンですか?」
「そ、マカロンの周りを埋めているのは砂糖菓子のお花なんだって~。奮発して特別包装にしてもらったらその花ついてきた」
「・・・・・これは・・・そういう意味のマカロンですか?」
「うん、そういう意味だねぇ」
「色々と物申したいことはありますがありがとうございます」
「どういたしまして」
蓋を開ければ長細い白い箱にカラフルなマカロンが並んではいっていて、その箱とマカロンの隙間を埋めるように見事な砂糖細工の花が彩る。
多分、奮発も奮発。
一番高い包装を要求したんじゃないかと思う。
そんなやり取りを怪訝な表情で見つめていた彼がようやく私の手の中の箱を覗き込んで疑問の強調。
あとは・・・軽い嫉妬?
「父さんが女口説く手法をよく理解した気分・・・」
「失礼だな茜。俺はそう生易しい男じゃないから夕月以外の女に期待持たせるようなサプライズなんか面倒でしないぞ」
「してんじゃん。今まさに息子嫁に!」
「【息子の嫁】だからだろ。この面倒な大道寺に快く嫁いでくれた彼女に感謝と期待をかけて・・・」
そう告げた義父の目が含みを孕んだグリーンアイを細めて私を見下ろす。
あまりいい言葉は期待できないと早々に溜め息。
そして一応早急に終わらせておこうと言葉の要求。
「【期待】とは?・・・まぁ予測はついてますが」
「勿論、頼もしき時期社長である長男との間に可愛い子供が産まれるように【期待】してる」
「10%・・・」
「千麻ちゃん・・・・」
予想通りの【期待】に即座にその数字を突きつければ、義父は噴き出してクスクス笑い、彼は打ちのめされたような苦笑い。



