「ところで・・・何の用で社長が直々に俺の部屋まで足を運んだの?まさか本当に新婚のからかいをしにじゃないだろうし・・・」
ああ、同感。
その問いは確かに同調し同時に強く疑問であった事。
彼がどこか警戒したように目を細めて真顔で問いかける姿を横目に、同じように社長である義父に視線で疑問を投げかければ。
絶えず同じ笑み浮かべた義父が更ににっこりと微笑み強め、彼を見つめて言葉を返す。
「鰻・・・どこのがいい?【生粋】か?【華ーはなやぎー】か?」
質問の答えではない。
そう思うと同時に上がった有名どころの名前に一瞬意識が持っていかれる。
【生粋】も【華ーはなやぎー】も高級も高級な格式ある料亭。
その店の天然物なんて言ったら・・・バカ高いな。
一瞬そんなことを考え、それでも問題はそこではないと意識を戻す。
当然そんな名前に騙されなかった彼も怪訝な顔して父である社長を見つめ上げた。
「・・・・うわぁ、やっぱり鰻いいや」
「何でだ?超高級な天然物食べれるぞ?」
「明らかにおかしいでしょ?高級すぎるもん・・・絶対に裏あるし・・・」
疑うように警戒して身を引いた彼に対して、心外で更に傷ついた。と言いたげな表情の社長がゆっくり詰め寄る。
その表情が更に胡散臭くて、絶対に何か裏があるな。と断定した。
「茜・・・、」
「なんだよ?そんな哀れっぽい声出しても騙されないし」
「【生粋】も【華ーはなやぎー】も大した高級に値しないだろうさ・・・」
「何その言い方・・・」
「お前のレンタル料とすれば安いもんだろ?」
「やっぱり裏あるんじゃねぇかよ!!易々と息子をレンタルしようとすんなよ!!」
ああ、なんかデジャブだ。
いつだったかも似たような事があったと記憶の回想。
思い出せたのはあの熱の夜。
あの日もこんな風に社長の形ばかりの接待に彼が引き出されて言い合いになったんだ。
と、頭を抱え視線だけを浮上させた。
多分今回も同じような理由。
そしてこの事は彼も気が付いている。
「・・・・まさか、すっぽかしたツケが今回ってきた感じ?」
「そのまさかだ。いやぁ・・・モテるなお前、千麻ちゃんっていう奥さんがいるのに引く手数多だからな」
「マジかぁ・・・・・・」
至極愉快そうな社長の嫌味に、珍しくこれ以上の反論返さずに頭を抱え苦悶の表情を浮かべる彼。
その理由は私だって理解しているから何とも言えない。



