夫婦ですが何か?




やはり自分はこの香りにも依存し始めていると実感。


特別に胸が熱くなるわけでもない。


それでも強く香ろうが嫌悪しないという事が自分にはもう当たり前の匂いになっているのだと証明になる。


その匂いを感じながら他の鉢に水を注ぐと、私の説明受けた鉢に興味示して触れていた彼が納得したように声を響かせた。



「成る程、確かにネックレスみたいだね」


「・・・・それは成長してどんどん長くなるんですよ。その姿が緑のパールを連ねたネックレスの様だからそんな名称なんです」


「うん・・・面白い」



軽く上がる口の端、珍し物を見た。とすでに長くなりつつあるそれを手にして見つめ、不意に私にその視線が移る。


そしてまた手の中の緑と見比べ、一体何をしているのかとその様子を伺っていれば、視線が絡んだ瞬間に何を確信したようにニッと笑った。



「・・・・・何ですか?気色悪いんですが」


「うわっ、またそうやって人が傷つくような一言を~・・・」


「黙って見つめられてたら気色悪いと感じるでしょう?」


「そう?俺はさっき千麻ちゃんの熱い視線感じて結構ワクワクドキドキしてましたけど」



この男・・・。


勝ち誇ったように微笑んで見降ろしてくる姿。


それに対して一瞬黙ったのはさっきの後ろめたさ。


指摘されたように私もさっき彼を黙って見つめて観察していたのだ。


そしてそれを気が付いていながら何食わぬ顔で流していた男のここに来ての突っ込み。


まるで切り札の様に。


この会話をする事を理解していた様に。


うっかり押し黙った事にも敗北感じてムスッとすれば、クスクスと笑った彼が触れていたグリーンネックレスの鉢ごと手に持ち私の顔の横に持ってきた。


何のつもりかと更に眉根寄せて見上げれば、落とされたのは悪意も悪戯もない彼の好奇心満ちた確認。



「・・・・・・千麻ちゃんに似合いそうだね」


「・・・はっ?」


「ん?こんな感じの緑連なるネックレスがね。千麻ちゃんに映えそうだなぁって思って」



垂れさがったそれが首元をくすぐる。


それをネックレスに見立てるのであれば、このスーツ姿は不似合いだろうに。


それでも彼の眼にはそれなりにドレスアップした私が想像できていて、これに類似したネックレスを首から下げているのだろうか?


まさか・・・ね。