こんなふざけた会話を交わそうが、夜は濃密な時間を過ごそうが、
会社に出社すれば上司とその秘書。
もう私と彼が夫婦となってだいぶ経つというのに未だ女子のやっかみ的な嫌味が付きまとうのだから、この実際は子供の様な甘えっ子の我が旦那の人気も称賛すべき物なのかもしれないと最近ようやく小さく感じ始めた。
その、女子を惹きつける魅力は何だろう?と、これまた今更考え、室内にちょいちょい置いてある観葉植物の鉢に水を与えながらチラリと彼を盗み見た。
彼といえば自分のデスクでパソコンの画面をじっと見つめ、マウスを操作し時々キーボードをタタタッと小気味いい音で叩いてみせる。
ああ、そうか、この瞬間は理解。
この瞬間の彼であれば馴染みすぎた私でも素直に好意を感じてしまう姿。
スーツをきっちりと着こなし、真剣な表情維持で目の前の仕事に真面目に取り組む。
うん・・・・割と好き。
・・・・かも?
そして下手に視線が絡まないうちにスッと視線を観葉植物に戻していく。
・・・と、
「・・・・・・結構マメだよね」
不意にかけられた言葉に今ほどまで見ていた彼に視線を戻すと、その視線はパソコンに移したままの彼を捉えた。
興味があるんだかないんだか。
一瞬返す言葉に迷っていれば、相変わらず視線は向けないくせに追加される言葉。
「そういうのも千麻ちゃんの【興味】の対象?」
「・・・・ああ、朝の話関連ですか?・・・・まぁ、割と好きです」
「どんなのが好きなの?」
その言葉と同時にやっとこちらを向いたグリーンアイが私が向き合っていた植物に一瞬視線を走らせて再度私を見つめる。
どんなのって・・・。
問われてもどう答えていいのか迷い。彼と同じ様に並ぶそれらを見つめてから自分の好みを探り返事を返していく。
「・・・こういうの・・・で、しょうか・・・」
「・・・・その粒々?それって何?」
「グリーンネックレス・・・緑の鈴とも言いますが」
「花なの草なの?」
「多肉植物ですよ。・・・サボテンの様な物と言えばいいんでしょうか・・・」
そこまで説明すると『へぇ』と呟きその身を椅子から立ちあげゆっくりこっちに歩きはじめる。
大した距離でもなく、私の隣に立つとそれを間近で確認するように身をかがめ覗きこんだ。
動く度にふわりと香るいつもの匂い。



