「珍しいね。千麻ちゃんがあからさまに何かに関心持って感想零すの」
「・・・・私だって興味湧く物には反応します」
「って、事は・・・千麻ちゃんはアレに興味湧いちゃってるんだ?」
そう告げてどこか楽しげにニッと微笑む彼に何となくの羞恥心。
TVに映っていたのは、ちょっとした短い特集で取り上げられているらしいウサギ。
しかも手のひらサイズの・・・・ネザーランドドワーフ?そんな品種の。
丁度アナウンサーの手の中にすっぽり収まった瞬間に可愛いと口から零せば、こうして彼の関心引いてしまった事態となる。
普段は様々なものに無関心の様な私は自分でも自覚している。
だからこそ女らしい様な関心を見せたこの瞬間が羞恥の対象に感じて小さく動揺。
目の前で『へぇ』と見上げるグリーンアイの意地の悪い事。
「ああいうの好きなんだぁ」
「・・・私が可愛いとか思うといけませんか?」
「いや、そんな千麻ちゃんを俺は可愛いと思っただけだし」
「・・・・・・・・・今日の夕飯何がいいですか?」
「今っ!?ははっ・・・千麻ちゃん誤魔化すの超下手ぁ・・・」
苦し紛れに思いっきり違う話題に振ってみれば、見事噴き出した彼が人を指さしてまでケラケラと笑う。
ああ、ムカつく。
ムッとしながら雑に彼の朝食のプレートを目の前に置くと、ようやくその笑いを半減させた彼が心にもなく「ごめん」を告げて。
それでもまだ笑う彼にいい加減にしろ。とばかりに再度同じ問いかけをした。
「で?夕飯は?」
「ええ~、朝食食べてる今夕飯の確認もするぅ?」
「・・・カップ麺でも用意しましょうか?」
「じゃあ・・・鰻」
「・・・・・」
「【色々】と・・・精力つけないとでしょ?仕事でも・・・家庭でも?」
「・・・・・久々に言っていいですか?」
「ん?」
「セクハラです」
「ははっ、家庭内じゃ無効です」
逐一私との関係に結びを付ける彼に、嫌味を交えて久しぶりにそのセリフを言った気がする。
あっさり正論返され終わったけれど、言われたそれを夕飯の第一候補に上げコーヒーを口に含んだ。
そして朝不意に気がついた事の再浮上。
ああ、どうせだから奮発して高い鰻にしよう。と決定打になって、口に含んだコーヒーをごくりと飲み込み自分のプレートを手に持つと、キッチンを抜け対面していた彼の隣にその身を置いた。
気がつけばTVからウサギは消えている。
そして始まる天気予報で表示される日付を見て意識を朝食に戻していった。



