ーーーーNEXT MORNINGーーーー
日常。
何ら変化もなく、当たり前に繰り返しているような朝の到来。
彼より早く起き、その身に衣服を纏い気持ちばかりの化粧に取り掛かる為鏡を覗き込んでふと止まる。
そして一瞬の思考の後に気がついた事実に眉根を寄せた。
かといってそれを口にしてもどうにもならないと諦め、溜め息をつくと支度を終わらせる。
つまらない事に気を走らせている時間はなく、彼が起きてくるより早く朝食を作ろうとキッチンに立った。
程なくして寝室の扉の開閉音に気が付き、ほぼ完成間近である朝食を盛りつけていく。
コーヒーも今日もまた香ばしい匂いがその場に漂う。
そんなタイミング。
「・・・おはよう千麻ちゃん・・・・」
「おはようございます。朝刊ならテーブルの上に」
チラリと視線を走らせテーブルの上を指させば、一通り着替えや洗顔などの身支度ばかりは終わらせてきた彼がまだどこか寝ぼけ眼で私を見つめる。
そしてきびきびと動く私の後ろ姿に一言。
「・・・何でそんなに元気かなぁ?」
「・・・体調でも?」
「いや・・・、ただ単に・・倦怠感?」
「夫婦関係に?」
「夫婦の【夜】の関係に・・・が正解」
言いながらふらりとキッチンとの対面のカウンターテーブルに身を置くと、私を覗き込みながら頬杖をつく姿。
それをチラリと確認するも手を止めることなく準備を進める。
「なんか・・・最近千麻ちゃん潤ってるよね・・・」
「特に何もしてませんが?」
「絶対俺から生気抜いていってる気がする・・・」
「・・・・私は妖怪ですか?」
「サキュバス?」
「・・・・・ご不満ならまたプラトニックな関係に戻してもいいんですが?」
「すみません」
スッと見降ろしそう脅せば、さすがに疲労溜まっても現状維持がいいらしい彼。
一瞬で動揺して焦った姿にフンと鼻を鳴らすと近くにあったリモコンに手を伸ばしTVを付けた。
流れるニュースを適当に聞き流しながらコーヒーをカップに注ぐ。
そして目の前の彼にそれを差し出したタイミング。
何の気なしに捉えたTVの映像に視線が止まり、そして映し込んだ物に思った感情がポロリと零れた。
「・・・可愛い、」
「ん?」
私の声に反応して振り返った彼が同様にTV画面を捉えて、私が【可愛い】と称賛した物に『意外』と言いたげな表情を返した。



