「千麻ちゃん・・・・これは何?」


「・・・・愛でてます」


「おう・・・もう少し優しく愛でてくれないかな?ハニー」


「私の全力よダーリン」



まるで犬をあやすように彼の髪を乱して撫でると、苦笑いの彼がやめろとばかりに首筋に甘噛みする。


それに心臓が強く跳ねあがってのタイミングに、計ったように腰から背中を這い上がる指先の感触に声こそ漏らさなかったけれど軽く悶えた。


背中がが外気に触れてヒヤリとする。


追ってすぐに胸元も同様。


でも胸ばかりは新しい熱を得て、彼の唇が首筋から刺激や熱を残して滑り落ちて。


代わりに這い上がった指先が首の後ろを支えて押さえる。



「っ・・・・んっ・・・」



目が眩む。


微々たる膨らみをそれでも感触得ようと這う唇に。


焦らして焦らして熱を高めて。


非難するように見下ろせば悪戯なグリーンアイが勝ち誇ったように細くなり笑い、



「・・・・あっ・・・」



私の限界見極め胸の反応し膨らんだ箇所を口に含んだ。


手練れ。


焦らしもタイミングもその巧みな愛撫も。


少しでもズレが生じれば快楽には結びつかない物だというのに。


やはり・・・・経験豊富。


その事に嫌悪せず、逆にどこか歓喜する私はおかしいのかもしれない。


ああ、でも・・・、


そう少し、少しね・・・。




妬ける感情もあるわダーリン。




「・・・・っ・・・ん・・・」


「・・・・気持ちよさそうな声、」


「・・・・・・・気持ちよくなきゃ出しません」


「いや・・・まぁ、そうだけどもさ・・・・」



元も子もない。


私の相変わらずこんな状況でも淡々とした色気のない回答に、困ったように微笑む彼が不意に視線を背後に走らせすぐに戻す。


その瞬間に何を考えたかは理解できる。



「べッ「ベッドに行きましょうか?」」



被せて言おうとしていたであろう言葉を告げてニッと微笑めば、【負けた】と言いたげに笑った彼が私の腰にしっかり腕を巻きつけるとそのまま抱き上げ立ち上がる。


さすがに予想外の行動に驚き、よくこんな細い体に力がある物だとも感心。




「はぁ・・・」


「ん?何?」


「いや、男の子ですねぇ」


「・・・・・何その感想。男ですよ?大人ですよ?男だからこそ今まさに女の千麻ちゃんと楽しもうと思ってるわけですけど?」


「女としては重要な部分がだいぶ欠落してますが」


「・・・ねぇ、それは本当に照れ隠しなの?」



軽く・・・照れ隠しかもしれないわね。


何となく多少の気まずさはあったりする。


まぁ、微々たるもので、大幅は欲情の方が勝っているけれど。