ーーーーNEXT MORNINGーーーー
「・・・・もうさ、そのままでもいいんじゃない?ってくらい似合ってるよね」
不意に響いた声に鏡に向けていた視線を後ろに向ければ、まさに寝起き姿の彼がベッドからその視線を向けている。
寝起き一発の彼がそう口にした私の姿は昨日同様の真っ黒な姿。
そう昨日に引き続きの彼女らの為のお人形ごっこ。
言われて確認するように自分の年甲斐もないフリルの衣装に視線を落とし、溜め息交じりに視線を戻した。
「変な趣味に目覚めました?」
「千麻ちゃん限定で?絶対にしなさそうな人がそういうことするのがギャップ萌えでいいよね」
まだ開ききってもいない目を更に細めてニッと笑う。
その身をベッドの布団のぬくもりに預け、うつぶせで片頬ついての休日な時間。
羨ましい。
「ギャップ萌え。・・・・なんか理解できるような」
「おっ、珍しい賛同?俺がその手の貴公子ルックでもしたら萌えてくれるの?」
「いえ、どちらかと言うと・・・。普段プライド高くSっ気強いあなたの縛られて怯んだ顔に萌えそうな・・・」
「・・・・・親父と同類かよ」
「冗談ですよ」
「千麻ちゃんが言うと冗談に聞こえないから怖いんだけど」
さすがに引いたような苦笑いで本気でビビる彼にクスリと笑うと、まだ未完成だった首元のリボンを結ぼうと指先に絡め取る。
「来て・・・」
指にくるりと巻きつけたと同時。
再び投げかけられた言葉に振り返れば、彼がその身を起こし指先でちょいちょいと私を呼びよせる。
それに従って近づけば、すっと伸びた手がタラリと揺れ落ちたリボンを絡め取って流れるような仕草で綺麗にバランスよく縛り上げた。
「・・・慣れてますね」
「そりゃあ、あんな妹達いるし?」
「納得です」
「なーんか、逆転夫婦みたい」
「はっ?」
「ほら、奥さんが旦那様のネクタイ締めてあげる朝?」
「定番の新婚さんの甘ったるい朝ですね」
「俺もしてほしいなぁ」
「・・・・・・・・・夜にもう少し頑丈であなたが大好きな赤い【紐】かなんかで締め上げてさしあげましょうか?」
「俺が好きなのはもっと軟な【糸】ね。そしてさっきからのそのSっ気は本当に冗談なの本気なの?」
眉尻下げて困ったようにクスリと笑う彼が降参というようにパッと両手を広げて見せる姿に満足げに微笑んで見せる。



