「あー・・・、なんか・・・ごめん。はっきり言えたらカッコ良くて好感度上がるのかもしれないけどさ。
・・・・今日再認識したばっかだから。仕事の面でも千麻ちゃんの存在が俺には凄く必要だって」
それは・・・その言葉は・・・、ものすごく好感度アップよ?
いつだって彼の最善でいたくて、阻むものを出来る限りは補助して取り除いて傍にいたい。
それが私のこの5年かけて築いてきた関係だから。
それをあなたが認めて再確認してくれたなんてこれ以上ない歓喜なのに。
どうしよう?
僅かにある女としてあなたに感情寄せる自分が少し嘆いてもいるのよね。
確かに胸の奥で選ばれなかった方の感情が小さく落胆してチクリと痛む。
だけど得た歓喜の方がまだまだ大きいからうやむやにできる。
それが可能な今のうちにやはり牽制してこのままがいいのでは?と思ってしまう。
目の前の彼もどこか複雑そうで、こんな風に迷わせるならいっそはっきりと前の関係に戻した方がいいかと口を開きかけたタイミング。
「でも、・・・でもですよ、」
「・・・・・・・・はい」
先に響いた彼の声。
開きかけていた口で言おうと思っていたのとは別の返事を響かせると、彼のグリーンアイが穏やかに私に移って続きを響かせた。
「子供・・・・好きなんだよね」
「・・・・はっ?」
「結婚したら絶対に欲しかったりして、」
「はぁ・・・」
「で、もって・・・、今の俺はどうーーーっしても、千麻ちゃんとの可愛い子供欲しかったりするんだよね」
「・・・・」
「・・・・さて、・・・・・・どうしよう?」
問題提起。
そんな感じに真剣なのか軽いのかわからない真顔で大きな問題を投げられてしまった。
一瞬ポカンとそれを受け、それでもすぐに思考に叩きこみ眉根を寄せる。
前は微塵も受け付けなかった彼との未来予想図。
だけども今は、
「・・・・・10%。・・・ってお答えしましたよね?」
「うん、だから0%じゃないじゃん?」
「まぁ、考えられなくもないですが10%では現実的予測が立ちにくいかと」
「じゃあ、どこまでなら予測可能で現実化可能?」
そう来るか。
あくまで、可能な限りは秘書としての私以上を求めたいんですね。
ああ、困る。
狡くて遠回しな言葉遊びで結局負かされて。
小さく存在する感情が歓喜してざわめいてる。
そして・・・また僅かに大きくなったのが最大の問題だ。



