柔らかいタオルで一通りの水分を拭き取られると、寒くないようになのかタオルケットをバサリと体にかけ足早に部屋を去る姿をぼんやり見送る。
自分も着替えに行ったのだろうかとうっすら思いながら遠心力感じる体に眉根を寄せた。
のぼせた。
お湯に・・・抱擁に。
外部から内部から高められた熱に見事耐えきれなくなって、情けなくも今の事態だ。
なんてみっともない。
少しばかり回復してきた体を横に向かせると、布団をかき集め抱きしめるように顔を埋めた。
そのタイミングにパタパタと近づく足音と扉の開閉音。
反応して視線を向ければ絡んだグリーンアイが私の多少の回復に気が付き安堵して眉尻を下げた。
「・・・っとに・・・千麻ちゃんには本当に参る」
「・・・・すみません。ご迷惑おかけしました」
苦笑いで近づいてきた姿はさすがに水分拭き取ってはいたけれど、タオル一枚腰に巻き、髪からはいまだに水滴したらせる。
そして手に持っていた水のペットボトルを軽く開栓すると私に差し出しながらベッドに座った。
受け取り冷たい中身をごくりと煽る。
溜まっていた熱がするりと引いて更に眩暈が解消すると、いまだ震える手で蓋をしようとしてキャップを落とした。
そんな様子を困ったように笑った彼が呆れたようにペットボトルを抜き取ると落ちたキャップを拾いあげ蓋をする。
「この程度でのぼせるってことは・・・疲れてたんだね千麻ちゃん」
「いえ、あなた程では・・・」
「いいから、横になってなって」
そう言って子供に言い聞かすような口調で私の額を軽く押すとベッドに倒す。
素直に従い気怠い体にベッドの優しさを感じさせれば、小さく笑った彼が同じペットボトルの水を煽った。
ごくりごくりと喉を潤し、それをようやく口から離すとさっき私の体の水分を拭き取ったらしきタオルで今度は自分の髪の水分を拭き取っている。
その一部始終をぼんやりと眺めた。
そうして本当に今更不思議な感覚に陥る。
本来・・・こんな彼を見ることはなかった筈なんだ。
無防備である私生活を、
会社とは違う甘えや我儘を見せる彼を、
そしてただの信頼のみではまず成りえなかったさっきのような扇情的な関係。
まぁ・・・まだ未遂だけども。
「・・・・やっぱりプラトニック貫きます?」
不意に思ったことをぽつりと告げれば、拭き終わり乱れた頭のまま再度水を含んでいた彼が豪快に噴き出しすぐに口を拭って驚愕の表情を向けた。



