「・・・・・・の、のぼせるからあがるわダーリン」
すかさず苦し紛れの言葉で誤魔化し逃げ出そうとその身を出せば、許すはずのない彼の腕が体に巻き付いて引き戻し、自分の背中が彼の胸に密着した。
「誘っておいて逃げないでハニー」
「さ・・・誘ったわけでは・・・」
「あんな風に自分は俺の特別だって豪語して悶えさせろって要求しておいて?」
言いながら彼の唇が首筋を滑る。
巻き付いている手の片方が悪戯に胸を揉んで弄って刺激して、程々に熱を高めた指先が腹部を滑って下降すると流れるようにウエストラインをくすぐった。
「あっ・・・」
「・・っ・・・声も・・・堪え切れないくらい弱い?」
「・・っ・・んっ・・・茜っ・・・」
もう止めろ!
そんな意味合いで名前を呼んで牽制すれば、クスリと響く堪えた感じ見えない反応。
「なんか・・・優越感~・・・」
「・・・・やっ・・」
「久々に千麻ちゃんを追いやってる感じ?」
「や・・だ・・・・・あっ・・・」
首筋から背中に滑る唇と相変わらず腰をくすぐる指先。
あまりの刺激に視界さえ眩んで身悶える。
熱い熱い熱い。
気が付けば呼吸も乱れ力も上手く入らない。
「・・・・・千麻・・・、・・・悶えて・・・みる?」
不思議な感覚で静かに響いた声音にドキリとし、次の瞬間に背中に甘く歯を立てられ意識の混濁。
グラリと視界が揺れて体が熱すぎると感じた時には脱力。
ずるりとその身が沈んだのが分かった。
「・・えっ?・・ちょっ・・千麻ちゃん!?」
脱力し滑り落ちた体を咄嗟に押さえた彼が慌てた様子で私の顔を覗き込み頬に触れる。
「・・・っ・・あつ・・・・目が・・・」
回る。
「っ・・・」
朦朧とした感覚で現状を口にすれば理解したように私を抱え水しぶきたて浴室から出る彼。
脱衣所に出ただけでそのひんやりとした空気に安堵しぼんやりと流れる景色を目に移した。
何もできず抱えられたままその揺らめく振動に身を任せていれば、不意に下降した体がベッドの上に下された。
布団の感触や冷たさが気持ちいい。
だけども濡れた体が寒いとも感じ始めた時にばさりとかけられたバスタオルで柔らかく体の水分を拭き取られた。
ああ、彼も濡れたまま。
風邪を引いてしまいますよ。
そう思うのに上手く声を発することすらままならない。
だいぶ良くなったけれど目が回るのだ。



