今彼女らをサポートするにしても、私はもっともメインの衣装を纏った重役な今日。
全てにおいて黒子に徹することも出来ない今はこの申し出に乗る方が有益であると結論は出ている。
問題は・・・・。
浮かんだグリーンアイの不愉快。
きっとこれを知ったら不機嫌どころの話じゃない。
だけど・・・、これは【仕事】よね?
「・・・・・・・・・・・・」
「ちーま」
私の葛藤すべて読み取っているかのような恭司のどこか楽しげな声が煽りを見せる。
悔しい。
でも、最善策・・・・・だと思いたい。
「・・っ・・・手伝ってくださいますか?」
「At Her Majesty's pleasure(仰せのままに)」
嫌味な男。
でも味方になれば頼れる存在。
頼って声を響かせればすんなり渡されたタブレット。
それを受け取るとまずは状況説明だと彼女らを寄せて現状を恭司に説明。
しばらくは口を出さずに事の成り行きを聞き入れて、大方の説明が付くと、
「つまり・・・売り出す商品にばかり力を入れて肝心な宣伝方法は行き当たりばったりで『勢いと可愛さでなんとかなっちゃう~』って浅はかさで挑んだって・・・そんな話?」
にこやかに毒を吐くこの男。
何故私はこの男の彼女であったのだろうと真剣に思う時がある。
スーツをピシッと着こなした微笑みの貴公子の腹は真っ黒だ。
それが初対面の美少女達であっても、自分が愚かだと思った対象や物事に彼の言葉は優しくない。
そしてどんな時でもその表情が微笑みだからより性質が悪いのだ。
「ふーん・・・、何だ、千麻の敬愛する年若き大道寺の副社長の妹にしては・・・・・おバカさんたちなんだね」
「恭司・・・、仮にも取引先の社長令嬢に馬鹿とかは失礼じゃないの?」
かといって私も真剣に庇うように注意したわけでなく、その視線はタブレットの操作に追われている。
耳に入ってくる音声のみに反応してそう注意すれば、予想外の声で思わず視線を上げてしまった。
「いいんです」
「馬鹿なんです」
「もう堪らない、」
「もっと詰って・・・」
甘ったるい酔ったような声音の二重奏。
衝撃的なセリフを口にした彼女らに視線を移せばうっとりとした眼差しで恭司を見つめている。
そんな彼女らにいつもの如く微笑んでいた恭司がちらりと私に視線を走らせ辛辣な言葉で疑問を向ける。
「何?足りない頭でも軽視の対象なのに・・・どMなの?この子達。笑っちゃうくらい引くんだけど、」
「いやん、ゾクゾクする」
「パパ並にサディスティックな反応」
「まさに・・・」
「理想・・・」
『恭司さ・ま』
「・・・・・・・・・・ちょっと頭の緩いお姫さま達よ」
「いいの千麻?社長令嬢にそんなこと言って」
クスクス笑いの恭司がもの珍しそうに彼女らを見つめて、猫をあやすように手を伸ばす。
それにうっとりと反応する彼女らに心底呆れ、私は今何故こんなに必死にタブレットを捜査しているのかと馬鹿らしくなるほど。
どうやらMっ気強い彼女らに恭司のSっ気がどはまりしたらしく、更に容姿の妖艶さにうっとりと陶酔している始末。



