唖然としてその先を見つめ、自分が思っていた以上の事だと再確認。
再確認してしまえば描いて用意していた頭のスケジュールや内容の調整。
『何とかなる』?
馬鹿だった・・・甘く見ていた。
「・・・・・時に・・・お2人はどんなプランで売り込む予定で?」
今更な確認をどこか恐る恐る入れていけば、危機感のない2人が『え~』と軽い感じに声を重ね、ぼんやりと視線を泳がせながら曖昧な響きを口にした。
「とりあえず、ゲストとしてステージ立ってぇ」
「いつもみたいににこにこして気を引いてぇ」
「千麻ちゃんをドーンと目立たせてアピール?」
「その【どーん】の詳細はお決まりなんでしょうか?」
頼むから何か考えていてほしい。
そんな淡く儚い願い。
「『私たちのブランドでーす』」
「『素敵でしょう?』って押してる時に千麻ちゃんが全体像見えるように回転するとか」
名案でしょ?そんな誇らしげな2人に気が遠くなる。
思わず頭を抱えての深いため息。
あそこまでこの衣装の製作にはその意欲を強く感じたのに・・・、宣伝方法には小学生並みの学習発表の案しか見えない。
詰めが甘い・・・。
これでは確かに彼も心配するわけだ。
嘆いていてももう乗ってしまったこの場。
そして【仕事】としてこの場に立ったのだから私は最善を尽くさなければいけないのだ。
「・・・・・・音楽・・・」
「はっ?」
「へっ?」
「その場を盛り上げる、このブランドにあう音楽とか無いんですか?それからロゴの入ったスクリーンとか」
「そ、そういうのは・・・」
「私達機械には疎くて・・・」
「疎くても会場のイベント担当に頼むとか出来たでしょう!?それに、あのステージ。最前列付近はいいですよ、でも遠くなるほどこの衣装の良さをどう伝えるんですか!?」
「あっ・・・」
「そっか・・・」
「『あっ、』『そっか、』じゃないんですよ!!あなた方が本気でやりたいと言って昨夜彼を口説き落としたんでしょう!それに乗って私は手を貸してるんです!!生半可な気持ちのお遊びにだけは絶対に付き合いませんよ!やるからには細部にまで気をまわして全力で臨んでください!!」
大会場で説教。
騒がしいそこでも私の怒りは異色で目立ったらしい。
全客とは言わないけれど注目を浴び、この場ではアイドル的存在の2人を涙目にさせてしまった。



