補足をすれば【sanctuary】というのは主にウェディングやパーティードレスのデザインをするブランドで、大道寺がその発足を手伝った経歴あり。
しかし今や姉妹ブランドで一般的なデザインもこなす大手ブランド。
その創設者や家系はまたこの大道寺の人間と深く根強く繋がりがあるとか。
まぁ、近場で例を挙げれば・・・。
雛華さんの双子の妹さんが、今現在婚約しているのもこのブランドの礎である家系の人なのだ。
さっき名前のあがった一人。
暁月 碧
そしてその兄である
暁月 翠
「お前らの遊びに【sanctuary】の手を煩わせるなよ」
「酷い!」
「遊びじゃないもん!」
「趣味で着るには文句言わんが、それを商売として大道寺の甘い汁吸って売り込むのはやめろ。アマチュアの洋服やごっこに付き合ったら【sanctuary】の名前の品格も落としかねないんだからな」
「わかってるもん!」
「これでも2人で必死に頼み込んで翠君と碧君に輸入してもらったんだから」
「でもそれだけだよ!」
「お金も払ったし、良い輸入先のお店の伝手を得ただけで【sanctuary】の名前なんて一言も利用してない」
双方引かずのにらみ合い。
彼の言い分は確かにもっともだ。
プロ中のプロ。
それももし一般人ならその繋がりもなかった有名どころに泣きつくのは多少家の力を使った狡い物だ。
でも、妹達の必死さや確かに輸入元について頼っただけという事実。
そして出来上がったドレスは決して雑な物ではなくそのレースなんかも生かされ上出来と言える気がする。
あとは・・・・。
「・・・・・これ、着てみても?」
「えっ?」
「うん・・・、うんうん!」
「ちょっ・・千麻ちゃん?!」
彼女らが持っていたドレスを自分の手に受け取り眺めそれを要求する。
驚く3人の内2人はすぐに歓喜の反応、残る一人はただただ困惑。
そんな姿を見て見ぬ振りすると色々な角度からその服を眺めて眉根を寄せる。
「これ・・・どうやって着るんですか?」
「手伝う手伝う~」
「やったぁ、初試着だよぉ」
「おいっ・・」
彼女らと着替えのために歩き出していた背中を追ってきた声に振り返ってグリーンアイを見つめる。
『しっ』と唇に人差指つけ彼に示すと、開きかけていた口をゆっくり閉ざしてから溜め息をつき。
諦めた表情の彼に満足すると、未知との遭遇の為に寝室に向かいその身をしばらく双子に任せた。



