「新婚夫婦たって・・・もう結構経ってるし・・・」
「もう千麻ちゃんの事で知らないことないくらいに激しく・・・ウフッ」
「・・・・・」
さすが・・・セクハラ親子の妹達も負けず劣らずセクハラ姉妹。
そしてダーリン。
黙って目逸らした段階でプライド自ら打ち崩してますよ。
当然彼の目が泳いだことを見逃すはずのない姉妹。
最初ばかりは微笑んで、でも戻らぬ兄の視線で苦笑い。
そして確認するように私に2人の視線が移ったから、思わず余計な反応をしてしまった。
目があった瞬間に『ないない』と声には出さずとも手を振って示してしまった。
無表情で。
その瞬間に一気に彼に戻される2人の視線と私に注がれる恨みがましい彼の視線。
あ、余計なことしてしまった。
「お兄ちゃん・・・どうしたの?」
「らしくもなくプラトニックに目覚めたの?」
「目覚めてねぇよ。・・・・大人の世界には色々あんだよ」
「大人って・・・」
「私達と一個しか違わないのにぃ?」
「はいはい、悪かったな。千麻ちゃんには出直し散々くらってましたよ。口説いて迫って、やっと・・・・そう、やっと・・・」
どうやらなんとか言葉を飲み込んだらしいけれど、余計に哀愁強まってるわよダーリン。
そしてなんかその言い方だと私が悪者ですか?
それでもその効果は絶大だったのか、珍しく双子が申し訳なさそうに眉尻を下げる。
いや、どちらかといえば同情?憐れみ?
「なんか・・・、」
「本当にごめんね?」
「分かったら帰れよ・・・」
『それはそれ、これはこれ』
「おい・・・」
ケロッと声音を変えた2人がにっこりと微笑んで立ち退きを拒否する。
そんな2人に迷った結果グラスにビールを注いで近くに寄った。
「何か理由が?」
差し出しながら詳細を確認しようと口にすれば、余計なこと聞くなよ的な彼の眼差し。
しかしもう遅かりし。
「あのね、明日イベントあってぇ、」
「その会場にこのマンション近いから泊めてほしくて」
「イベント?」
「こいつらの黒白な祭りだよ」
疑問の声を響かせれば返してきたのは不機嫌な表情の彼の声。
言いながら彼女らの独特な衣装を見つめて示し、さすがに諦めたのかゆっくりキッチンに向かうと冷蔵庫からビールとグラスを手に戻ってきた。
そしてそれを開栓し、2つ用意したグラスに注ぐと片方を私に差し出してくる。



