「・・っ・・・」
「・・・・気がついてる?すっごい気持ちよさそうな顔してるって」
「気がついてます?私が恐ろしく感じてるって」
「素直~・・・・可愛い」
狡い。
その付けたされる『可愛い』の響きも私の欲を煽る物に変わってきている。
そしてそれを本心で言っているっている様なその表情も。
応えるように内部を行き来する指先の刺激につまらない自分達の関係の条件も忘れてしまいそうな程。
そんな不必要で無粋な思考が薄れた頭で、眼で捉えたグリーンアイは・・・・・、恐ろしいくらいに綺麗だ。
「・・・・・・・っ・・・茜・・・」
「・・っ・・・」
名前を呼べば少し動揺したように彼が反応する。
軽くさっきより開いた驚き孕む目を見つめると、首に腕を巻きつけ引き寄せて抱きしめた。
そして彼の耳元に唇を寄せると単純に懇願。
「して・・・・」
自分で言った言葉に血の逆流。
熱い熱い・・・・逆上せそう。
でも・・・多分この言葉は彼にも見事作用した。
「・・・ダメ・・・、俺も限界・・・」
私の手を柔らかくも勢いよく解いて体をい起こすと、捉えたのは彼の切なげでもどかしそうな表情。
でも妖艶。
目の前でまだ穿いていたスウェットのズボンとパンツを脱ぐ彼をぼんやり見つめて、それに気がついた彼の苦笑い。
「やっぱり・・・恥ずかしい」
「同感よダーリン」
クスリと笑って返せば一瞬不意をつかれた彼のしてやられた顔。
そして悔しそうに私を押し倒して抱きしめキスに興じる。
お互いの体を確かめるように触れて抱き寄せ呼吸を交える。
酸欠になるのに高まる熱で余計な思考は飛んだと思う。
彼の指先が熱っぽく絡んで太股にかかれば、ウブな生娘でもなく理解する。
そして恥らい抵抗する様な駆け引きも無用。
私達に今更必要ないのだ。
もう成り行きとタイミング。
下手な邪魔さえなければ重なる時間。
下手な・・・
邪魔さえなければ・・・ね。
鳴り響いたチャイム音にお互いに一瞬不動になる。
一応、『どうします?』的な視線を送ってみれば、彼の答えは一つらしい。
「無視。聞こえない事にしよう」
そう私に諭して額に口付けると再度なるチャイムを無視しての再開。
まぁ、こう言ってるしいいのか?
そんな事を思いながらも自分の意識も彼に戻し始めた。