「残念ながら・・・」
「なぁんだ、だよね」
冗談冗談。と言いたげにニッと口の端を上げた彼が持っていた杯に口をつける。
それを横目にようやく彼と同じ様に夜景に身体を向け手すりに寄りかかると、
「残念。勝負下着希望でしたか。私もまだまだですね。あなたの安さを理解してない」
「ねぇ、しっかり【出直し】て勉強してきてよ」
言葉遊び。
彼が私の今までの言い方を引用して、してやったりに笑う。
その笑みに『してやられました』という様な笑みを浮かべると爆弾投下。
「勉強不足・・・、勝負下着どころかその身一つで来てしまいました」
「・・・・・・・・・・・・・はっ?」
「安くて可愛いダーリンの趣向には合わなかったのね。今度いつか可愛い下着で出直すわ」
ニヒルに笑って、残念ね。と視線を外す。
話はお終いだ。と言うような態度を示せば、当然流せなかった彼が私の腕を掴む。
何?
そんな笑みで予想済みの困惑する彼を見つめた。
「・・・ちょっ・・・、えっ?!」
「何でしょうか?」
「ま、待って、色々混乱」
「はぁ、」
「っ・・・えっ・・と、いや、えっ?
・・・まじで?・・・もしかして、・・・その下・・さ、」
「ダーリンの勝負下着って期待外れた裸ですけど何か?」
にっこり意地悪に微笑みそう告げれば驚愕に差し込む赤味。
あえて期待に添えなかったから【出直す】と言葉や態度で示せば、こんどはしてやられたような苦悶顔。
「欲情して甘えたくなりました」
「っ・・・」
「・・・それが、資料室で言いかけてやめた答えです。でも、こんな期待外れに無理して応えていただかなくて結構ですよ」
「・・っ・・狡い!!」
あくまで意地悪をつき通せば、限界とばかり腕を強く引かれきつく抱きしめられた。
彼の腕の中でクスクス笑えば、黙れ。という意味なのか更にギュッと圧迫感が増す。
そして・・・彼の匂いも。
欲情しそう。
・・・違う。
欲情してるんだ。



