上手く説明できたと満足げに微笑む雛華さんに形ばかりに口元に笑みを浮かべすぐに困惑。
結局何の話題だったっけ?と思考巡らせていれば。
「別に、繕った反応はいらないと思う」
「・・・・はい、」
「今までのままの千麻ちゃんでいいんだ。ただ・・・」
「・・・ただ?」
「傷つけた分だけ、何かでそれを埋める事も必要だよね?」
「何か?」
「うん、何か、千麻ちゃんは有能だもん。秘書としても奥さんとしても」
「・・・・・・」
「だから・・・、分かるでしょ?何が一番茜の為になるのか・・・先を読んで動くのが有能な千麻ちゃんのお仕事でしょう?」
ああ、それは・・・・。
確かに私のお仕事です。
いつだって何が一番彼の為になるのか。
それを考え動くのが私の仕事で・・・。
私、・・・何らしくなくヘコんでこんなところに座ってたんだろう?
「馬鹿・・・らしい・・・・」
散々泣いて愚痴って複雑な心中語っても、その一言で結論が出る。
馬鹿らしい。
悩んでいる事全てが。
彼の申し出に乗ったのは私。
自己責任で始めたこの契約生活に不測の事態が起きてもおかしくなく、成り行き任せで自分で解決するしかないんだ。
「『何か』か・・・、」
彼の為に今できる何かは何だろう?
秘書として・・・・妻として・・・。
ああ・・・、
思考の冷静さの回復。
その事に小さく笑うとゆっくり立ち上がった。
私の表情の変化を理解してなのか微笑んで見上げてくる雛華さんを見降ろすと、スッと表情を真顔に戻して促していく。
「会議に遅刻です。・・・・行きますよ雛華さん」
私の一言に穏やかなグリーンアイが笑った。



