夫婦ですが何か?




しばらく似たような表情で見つめ合って不動になった。


お互いに信じられない。と言う様な表情で固まって数秒。


先に動きを見せたのは雛華さんで、綺麗なグリーンアイを動揺に揺らしながら何かを確かめるように私に指先を向ける。



「えっと・・・えっ?千麻ちゃんって・・・・鈍い?」


「割と鋭い方かと、」


「じゃあ、茜があんなに露骨に態度に出してるのに微塵も伝わってないの?」


「・・・・・独占欲からくる欲情でしょう?」


「・・・・茜に同情1票」


「何でですか!?だって・・・婚約した雛華さんにはちょっと言いにくいですが、どう考えても彼はまだ芹さんが好きでしょう!?」


「ん?ああ・・まぁ、そうですね。きっとずっと下手したら一生好きでしょうとも」


「ほらっ、さすがに雛華さんだってわかってるじゃないですか、」


「『さすがに』って・・・、確かに茜ちゃんは芹ちゃんを他の女の子よりは特別な意味で好きだと思うよ」



ほら、そうだろう!


そんな勢いで見つめ頷くと、どこか落胆した様な表情で溜め息をついた雛華さんがまっすぐに私を見つめ返す。



「でも、もう恋愛感情では見てないよ。あるとしたら愛情?愛着?」


「嘘だ、」


「嘘って・・・、本当だよ。あいつの愛情表現は・・・いや、俺もだけど独占欲の物差し使った方が理解しやすい」



言いながらトンと私の首筋の赤みを指先で触れられ、ズキリと小さく痛む傷に意識が移る。



「あいつが本当にまだ芹ちゃんを恋愛の含みで見ていたら俺達の婚姻届にサインなんてしてないよ」


「じゃあ、何ですか?本気で私を好きだとでも?」


「コレが【好き】の意思表示じゃないって言われたら逆にビックリだよ」


「・・・・・・・こんな年上女を?」


「年齢ってそんなに問題?ましてや2人とも成人してんだし」


「・・・・・・・芹さんの様に愛らしい反応してないし出来てないですが」


「うん、芹ちゃんは可愛いよねぇ~」


「雛華さん、惚気てます」


「すみません」


「・・・・・・・芹さんって胸ありますよね?」


「うん、C65だったはず」


「知ってるんですね」


「探求心の賜物です」


「褒めてないんですが」


「芹ちゃんの事は全部知ってたいんだぁ」



何故か話題が芹さんになってからドヤ顔で惚気て目の前の雛華さんが愉快だ。