確かに品はないかもしれないと反省。
でもこういった発言の方がたぶん・・・。
「ああ、なんか納得・・・」
「父さん?!」
「性の不一致は結構問題だぞ茜」
「父さん!何可愛い息子の離婚の危機を後押ししてんだよ!」
「いや、・・・だって、その気もない相手としても楽しくも気持ちよくもーー」
「はい、社長、副社長。・・・そろそろご自分たちの本分にお戻りください」
だんだん歯止めの利かなくなりそうな会話を今のうちに摘み取ると、手をパンパンと叩いて終了を促す。
そう、ここは大きく金銭動くまっとうな会社の一室なのだ。
馬鹿な家族会議をする場所ではないと仕事を促し自分のデスクに歩き始める。
と、不意に腕を掴まれ振り返れば至近距離からのグリーン。
でも彼じゃない。
類似してもどこか違い、彼より危険で鋭い眼鏡越しのグリーンアイ。
それが眼鏡を軽く下げすっと近づくと私の頭に手をまわして顔の距離を縮めた。
さすがに息を飲む・・・いや、自然と止まった。
接触した肌に酷く緊張して、普段以上に近づいた体から彼と似たほろ苦い感じの香りがする。
「・・・・・少し・・・熱ある?」
確かめるように触れあったのはお互いの額。
確かめて確信を得ると眉根を寄せて離れ私を覗き込んだ。
「・・・微熱なので大丈夫です」
「ああ、それで茜が抱え込んで出社したってわけか」
納得。
そんな声の響きで離れた義父が小さく息を吐くと子供にするように私の頭をポンポンと撫でた。
瞬間、次に響いたのは不機嫌な夫の声。
「おい、息子の嫁にまで色香ふりまくんじゃねぇよ」
「本当に余裕ないのな茜。それに・・・誤解だ、俺の一も二もすべて夕月しか存在してないから」
「母さんに同情する・・・」
確かに同情する。
この鬼畜であまり本当の情なんて見せないSっ気強い男に選ばれた義母に。
確か、元々は従妹だったやら聞いた記憶がある。
稀に会社に姿を現すその人もかなりの美人な人だったと記憶する。
たぶん彼の性格は基本この父親であるのだろうけど、優しすぎる部分は母親に似たのだろう。
ナイス遺伝子。
むしろすべて母親似なら私もこんなに苦労しなかったかもしれないのに。



