「……でさ、あたし、小宮が起きるまで一時間も待たされたんだよ~。信じられる!?」
 
 
廊下を歩きながら、麻美に昨日の出来事を説明するあたし。
 
小宮の脱・チェリーを手伝うって約束以外は全部話した。小宮には悪いけど。
 
麻美は口が固いから愚痴るくらいは許してね。
 
 
「確かに異常なウブさだね」
 
「ホント、おかしいよね。待ってる間、あたしナニしてるんだかな~って自分が悲しかったよ。小宮の体の線なぞって死体ごっこしたり、石積みながら、数え唄歌ったりして過ごしたんだよ?」
 
「ごめん。おかしさはいい勝負だわアンタら。案外お似合いのカップルかもね」
 
「えぇ~~どういう意味よソレ~~」
 
 
 
そんな会話しながら教室に向かってると、前方に数人の男子がたむろってるのが見えてきた。
 
廊下を半分以上占領して、ちょっと邪魔くさい。
 
端を通ろうかと思った時、男子の一人があたしに目をとめた。
 
ニヤニヤ笑いながら隣の男子に何事かを囁く。
 
 
なんだろう?