叫び出したい衝動を抑えつつ、ひたすら待った。
 
 
 
 
ひたすら。
 
 
 
 
ひたすら。
 
 
 
 
  
ひたすら……。
 
 
 
 
 
 
 
………………。
 
 
 
 
 
 
 
 
はぁ……。やっぱダメかな?
 
 
 
 
諦めて肩を落とす。
 
 
 
半分予想通りだけど。
 
 
 
 
いくら待っても、柔らかい感触は落ちてこなかったのだ。
 
 
 
  
薄っすら目を開けてみると、あたしの目の前でカキーンと固まってる小宮がいた。
 
 
 
「……………………」
 
  
 
顔は真っ赤から真っ白に変貌し、ピクリとも動かない。
 
 
 
つん、と指先で突付いてみたらば、グラッと体が傾いて。
 
 
 
そのまま後ろにバターン。
 
 
 
 
 
 
…………。
 
 
   
 
なるほど。そうきたか。
 
 
 
カラスの鳴き声が、白けた空気をカァーと突き抜ける。 
ナイス夕焼け空。
  
  
 
その日、再び小宮が目を覚ますまで、一時間待ちぼうけを食らわされたのだった。