「比奈。お昼どうする?」
 
 
 
2コ前の席に座ってた親友の麻美が立ち上がり、あたしの席までやってきた。
 
首のラインで緩くカールした髪を暑そうにかきあげ、襟の中に風を送っている。
 
暑いのはあたしも同じ。
 
四月のうららかを通り越して熱線気味なこの陽気。
 
窓際席はまるでガマン大会のサウナ風呂状態なのだ。
 
お昼ともなればもう汗だくなわけで。
 
 
  
「お弁当あるよ」
  
 
あたしもノートで首元を扇ぎながら答えた。
 
 
ええい、袖も捲くっちゃえ!
 
 
授業中に捲くってたら怒られるけど、今は休憩時間だし。これはいわゆる死活問題なのだ!