1分経過。ひたすら待つ。
 
 
 
 
2分経過。欠伸を噛み殺す。
 
 
 
 
3分経過。そろそろシメてもいい?
 
 
 
 
  
「ほら、早くぅ~」
 
 
 
額に青筋を浮かべながらも可愛く催促。
 
ホントに早くして欲しい。
どんどん哀しい状態になってくアイスを切ない目で見つめた。
 
  
それでもまだこれでもかってくらい焦らした後、小宮はとうとう観念してくれた。
 
おずおずとサクランボの枝をつまむ。
  
ホッ。アイスが溶けきる前に決めてくれて良かった。いいかげん手も冷たいし。
 
 
 
 
  
「……ハイ」
 
 
真っ赤になった顔を俯けたまま、枝の先っちょを持って差し出してくる小宮。その手の先まで赤い。
 
仕草は可愛いんだけど、半分液状のアイスが視覚的にキツイ。
 
サクランボが溶けない食べ物で、本当に良かった。
 
 
 
まぁそれは見なかったことにして……。