むぅ~~と少し考えて、ふと小宮のアイスにのってる赤い粒に目をつけた。
 
あたしの大好きなフルーツ。真っ赤なサクランボが枝付きでちょこんとのっかってる。
 
よし、これでいくか。
 
 
「じゃあ、このサクランボもらってもいい? 大好きなんだ、あたし」
 
「サクランボ……? あ、うん、いいよ。どうぞ」
 
「口の中に入れて、小宮」
  
 
小宮は一瞬ぎょっとした顔になり、傍目にも丸分かりなほどうろたえた。
 
あ~ん、とあたしは再度口を開けて待つ。
 
 
 
ふふん。小宮にも少しはノってもらわないとね。
 
 
だけど、なかなか小宮は行動に移してくれなかった。
 
あわあわあわあわ。メガネも一緒にあわあわしてる。 
 
 
へー。こういう時メガネって蒸気で曇るんだ。
 
いや、そんな新発見はどうでもいいんだけど。