店を出てから、あたしは隙あらば小宮とスキンシップを図ろうと目を光らせた。
 
せめてキスくらいはできないと、エッチなんてできやしない。
 
街角のアイス屋さんで、カップのアイスを買って近くのベンチに座った。
 
 
 
  
「美味しいね」
 
「うん、ここのチョコは絶品だよぉ。小宮も食べてみる?」
 
 
にっこり笑いながらスプーンでアイスをすくい、小宮に向ける。
 
 
「いや、僕はいいよ。また今度食べてみる」
 
「じゃあ、小宮の一口ちょうだい♪ あ~~ん」
 
 
 
 
こういう甘いやり取りも、二人の距離を縮めるのに大事なことなのだ。
 
あたしは口を開けて小宮がアイスをくれるのを待った。
 
でも小宮はパッと顔を背け、
 
「た、食べかけだから、よした方がいいよ」
 
これまたおカタいセリフ。ノリが悪いなぁもう。