小宮との、意外と楽しかった初デートの翌週、学校で会った小宮は、いつもの真面目一徹少年だった。
 
あたしに話しかけてくることもなくて、デートしたのが嘘みたい。
 
 
 
放課後、裏庭を掃除してた小宮に、
 
「次はいつデートする?」
 
と声をかけると、小宮はビックリした顔で振り返った。
 
  
  
「またデートしてくれるの? その……僕とのデート、つまらなくなかった……?」
 
 
 
つまり、あたしにまた誘われるとは思ってなかったってコトなんだろう。
 
もう二度と、話しかけてくれないだろうとまで思ってたみたい。
 
「そんなことないよ~。楽しかったよ?」
 
そう言うと、小宮は嬉しそうにはにかんだ。
 
抱きつこうとしたらかわされたのはちょっと不満だけど、笑顔が可愛かったから許してあげた。
 
 
そんなわけで、また今週土曜日デートの運びとなり、学校でも親密な挨拶を交わす仲にまで進展。
 
 
 
「比奈、最近小宮と親しいよね」
 
あたしと小宮のやり取りを見てた麻美が突っ込んできた。
 
「うん、ちょっと頼まれごとしててね」
 
小宮が童貞で脱・チェリーしたがってるってコトは、麻美にも内緒にしてる。
 
小宮には不名誉なコトだもんね。
 
不思議そうな顔をする麻美を促して朝の教室に入った。
 
そしてまたやってきた土曜日のデートは。