「あ、あたしを抱けないとか言っといて。いきなりキスとかできちゃうワケ?」
小さく抗議しながら、くたっと小宮の胸にもたれかかる。
負けてるよ、カンペキに。
「これが僕の限界だけどね。こうしてるだけで心臓が爆発しそうなんだ。これ以上はとてももたないよ」
あたしの肩を抱き寄せ、はにかみながら言う小宮。
なに言ってんの。それはこっちのセリフ。
キスひとつでこれだもん。エッチなんて絶対もたない。
でもね、それが嬉しいんだ――
だって、せっかくの恋だもん!
「あたしも……そうかも。ドキドキ症にかかっちゃったみたい」
熱い頬を上げてみれば、真っ赤な小宮の顔。
「だからさ、また手を繋ぐところから始めよ? あの屋上から始めんの」
「屋上から? あ……」
「よろしくねってお辞儀して、土曜日は初デート。ドキドキしながら噴水の前で待ち合わせしてさ」
「そうだね。一緒にショッピングして、アイス食べて歩くんだよね?」
「公園のベンチに座ってもじもじしたりもね。手を繋ぎたいな、どうしよう、もじもじ、なんつって、ぷぷっ」
「それでうっかり手が触れたりしたら、慌ててベンチから転げ落ちるんだ。でもって、二人揃って気絶、なんかして」
ぶっ。なにそれっ!
「どっ、どんなバカップルあたし達~~っ!!」
こらえきれず、思いっきり噴き出した。
なに言ってんだかあたし達! お、おかしすぎるっ。
楽しくって、くすぐったくって、笑いと震えが止まらない。
頭が、サクランボにやられてるっ!!
もうダメだあたし。あんまりサクランボが甘すぎて――

