「もちろん。僕は最初から比奈さんとお付き合いがしたかったんだから」
半分予想通り、いつものはにかみ笑顔で小宮は言う。
それは素直に嬉しいんだけど、でも……。
「本当にあたしでいいの? もっと純で可愛い女の子いっぱいいるのに。それにあたし、もう他の人とエッチはしないけど、これからもクラブとか行くし、多分ずっと遊び人って噂消えないよ?」
さっきイツキにも言ったけど。クラブの友達とはまた一緒に騒ぎたいんだ。
だってみんな大事な仲間。みんながみんな、何かを抱えて身を寄せ合った、ほっとけない傷だらけの仲間達。
小宮はあたしが遊び人のままでも平気なんだろうか?
「いいよ。周りがなんと言おうと、僕は本当の比奈さんを知ってるから。……それにね、比奈さんは自分じゃ分からないんだろうけど……とっても強くて……純粋で、可愛い女の子だよ」
相変わらず小宮は、優しい瞳で迷わず答える。
聞いてるこっちが恥ずかしいよっ。頬が熱くてたまらない。
「そ、そういうセリフはスラスラ言えちゃうんだよね、小宮って」
なんで女の子触るの苦手なくせに、そんな歯の浮くセリフは言えちゃうかなぁ?
思わず泳ぐ目をもう一度しっかり小宮に当てる。
これが最後の確認だとばかりに、キッと小宮を睨んで言った。
「言っとくけどあたし、しつこいよ? 一度手をとったらがっしって掴んでもう二度と放さないよ?」
「うん、僕も放さない」
「離れたりしたらダメだからねっ!」
「うん、絶対離れない」
「ず、ずっと……ずっと傍にいるんだよっ!」
「いるよ。ずっと傍にいる」
その答えは真っ直ぐな瞳と共に返ってきて、あたしの不安を拭い去る。
同時に、暖かい手があたしの手を包み込む。
あったかい――
甘酸っぱさと嬉しさがこみ上げてきて、不意に涙が浮かんだ。

