「……ああ。思い出した。確かに、あん時やったな、こんなこと……」 
 
「さっき……思いついたんだけどね……」
 
「認めてやるよ。確かにてめぇはただの優等生じゃねぇ……」
 
 
凄いよ小宮! イツキと張り合うなんて!
 
これでイツキも目が覚めてくれれば――
 
だけど、そんなあたしの考えは甘かった。 
 
 
「――今まで会った中でも、最っ高にムカつくメガネだ」
 
 
パキパキと指を鳴らしながら。
 
イツキは再び憎々しげな表情で言い捨てた。
 
そんなっ。
 
 
「ご褒美に病院のベッドで寝かせてやるよ」
 
 
イヤだ。もう――
 
 
「もうやめてよイツキ!」
 
 
あたしはたまらず叫んだ。
 
 
止めなきゃ。イツキを。
 
あたしにだって。あたしにだって何かできるはずなんだ。
 
なんとかしたい。
 
だって、こんなことばっかして、一番傷付いてるのは――