まさか小宮のパンチが当たるなんて! 奇跡!?
 
 
でもあんまり威力はなかったのか、二歩下がっただけでイツキの足は止まる。
 
ふらつくこともなく、キッと小宮に視線を戻す。
 
ダメージなんてほとんどなさげ。
 
 
だけど、その一撃はイツキを驚かすには十分だったようで。
 
 
「てめっ……」 
 
 
顎に手をあてがいながら、小宮を睨むイツキからはさっきまでの余裕が消えていた。
 
「こないだの……お返し……」 
 
一方の小宮はというと。
まるでこっちがやられたかのようなフラフラ状態。
 
最後の力だったのか、今にも倒れそう。
 
 
「大丈夫!? 小宮!」
 
 
あたしは駆け寄ってその体を支えた。